半年以上前に買って、途中で積読してしまっていた1冊。つまらなかったから読むのを止めたのではなく、単にほかの本を先に読まなければいけなかった/読みたかったから。念のため。
書籍のタイトルになっているように、本書はテレビ(放送と広告)がインターネットの普及により、どのような影響を受けるかを解説している。昨年(2007年)の6月の時点の情報のため、やや古くなってしまっているところもあるが(考えると、わずか半年ちょっと前の本がすでに「古い」って言われてしまうことはすごいことだ)、書かれている内容の多くは今でもそんなに変わっていない。特に、IT政策の成立過程を審議会の議事録などを元に解説しているところは、資料としても大変価値がある。ジャーナリストのあり方について、最近知人数人と話したことがあるが、難しいことを噛み砕いて解説したり、膨大な一次情報を読む必要ないように状況をまとめるということもジャーナリズムのあり方だと思うようになった。本書のIT政策についての解説部分はまさにそれだろう。
ネットとテレビについての内容以外に、最後の章ではサイバースペースにおけるジャーナリズムについて解説されている。「みんなの意見は案外正しい」のが果たして本当に正しいのかや一次情報の価値などをさまざまな観点から見つめる。ライブドアの堀江氏の過激な発言がいくつか紹介されているが、驚くことに彼に同意できる部分も多い。
全体的に連載をまとめたためなのか、ちょっと主題がぶれてしまっているように感じるところもある。各々のセクションの質が高いだけに残念だ。
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歌田 明弘
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