2009年4月14日火曜日

粗食のすすめ

家に転がっていた一冊。1995年に刊行されたらしいが、私の持っている文庫本は2000年発行のもの。いずれにしろ、ちょっと前の本だ。

粗食のすすめ (新潮文庫)
幕内 秀夫

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タイトルが示すとおり、粗食が勧められている。ここでいう粗食とは日本人が古来より食してきた日本という風土で育つ食材を活かした食事。データを基に、行き過ぎた食の欧米化に警鐘を鳴らし、日本古来の食事の良さを説く。

確かに、牛乳が万能でないことや食の欧米化により変化した日本人の体型が原因とみられる内臓疾患が増えていることなどは良くニュースでも耳にする。そのような背景の中だと、筆者の言う日本食に戻ろうというメッセージは説得力がある。

たとえば、我々は生まれついてより、タンパク質を多くとること、その中でも乳製品を良く勧められてきた。牛乳やチーズなど。だが、日本では植物性タンパク質として大豆という大変優れた食材がある。なぜ、牛乳を飲めないと小学校で注意を受け、外人が納豆を食べれないのは当たり前で済ませられるのか。このように具体的に現在の食の常識に挑む姿は好感が持てる。

筆者の主張は極めてシンプルだ。
  • 栄養素をベースにした栄養学は完璧ではない。まだわからないことが多い。
  • その風土にあったものを口にするのが一番。風土とは季節や土地。人間はそこで長年暮らしてきているのだから、すでにそのような食にその土地に住む民族は最適化されているはずだ。
これをベースに筆者は次の10か条を提唱する。
  1. ご飯はきちんと食べる
  2. 穀類は未精製のものに
  3. 副食は野菜中心にする
  4. 発酵食品を食べる
  5. 肉類を減らす
  6. 揚げ物は控えめに
  7. 白砂糖の入った食品は避ける
  8. 砂糖や塩は未精製の物を使う
  9. できるかぎり安全な食品を選ぶ
  10. 食事はゆっくりよく噛んで
私としては、筆者の意見もまた1つの意見として、極端にならないように食を楽しんでいきたい。脳がその時に欲っするものを食すという考えの「快食」も脳科学ブームの今、人気があるようだが、バランスをとるという意味では、この考えもあながち悪くない(「快食」については検索するなりして調べて欲しい)。ストレスの少ない生活を送っていたら、快食しても、そんなに無茶な食生活にはならないだろう。

何事もほどほどに。