2013年1月6日日曜日

マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 49歳のおじさん、2度目のマラソンで2時間58分38秒

マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 49歳のおじさん、2度目のマラソンで2時間58分38秒 」を読んだ。

この本はサブスリー、すなわちフルマラソンを3時間を切って走ることを目的にしているランナーのためのものであるが、私のようにサブフォー(4時間以内で完走するレベル)のランナーにも役立つ。

マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!   49歳のおじさん、2度目のマラソンで2時間58分38秒 (ソフトバンク新書)

書いてあることは極めてシンプル。

距離信奉を止めて、メリハリのある練習をすること。

野口みずきさんの言った「走った距離は裏切らない」という名言にあるように、記録を良くしようと思った場合、ある程度の距離を走ることが必要である。走らないで記録を良くしようと思うのは虫が良すぎる。

しかし、走り過ぎることによる故障もアマチュアランナーには大変多くある。故障までいかなくても、疲労が抜けずにレースに臨むことになり、凡庸な記録に終わることもあると言う。

本書では、少ないポイント練習で高い負荷をかける代わりに、それ以外の練習は疲労抜きジョグに徹することを勧めている。疲労抜きジョグは自分の最速のペースの半分のペースで走ることである。例えば、1kmを3分半で走る人の場合は、1kmを7分以上かけて走るくらいのペースだ。これくらいのペースで走ることにより、ポイント練習での疲労を抜くのが良いとしている。

ポイント練習はインターバルとペース走を勧めている。最初はインターバルでスピードを身につけ、その後にペース走に移ると良い。

ここまでメリハリをつけることを説いている本は初めて出会ったが、書かれていることはごくごく当たり前のことである。しかし、それがなかなか実践できない。自分の練習を振り返ってみても、距離を走ることに満足してしまい、毎回の練習がなんのための練習なのかわからなくなっていることが多い。ジョギングのつもりで走りはじめたのに、ついついペースが上がってしまい、かと言って、負荷をかけるほどの練習にはなっていないというケースがままある。一方、ポイント練習のつもりが、途中で辛くなり、さほど負荷がかからないままで終わってしまっていることも多い。

本書では、サブスリーを狙うランナーには、
インターバル走(週1回 1000m × 7本)1km3分45秒を5分30秒〜6分回し
を、サブ3.5を狙う(3時間半切りを狙う)ランナーには、
インターバル走(週1回 1000m × 7本)1km4分15秒を6分回し
を勧めている(スピードをつける時期)。

「1km4分15秒を6分回し」というのは、1kmを4分15秒で走ったら、1分45秒休む(スローペースでジョギングなど)というのを繰り返す(上の例の場合は7回繰り返す)ということを言う。

持久力をつける時期は、ペース走を週に10kmほど行うだけで良い(サブ3.5を狙うランナー)と言う。

練習にメリハリをつけるという話は、小出監督が書かれた「マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ 」(参照:過去ブログ記事「走る本」)でも言われていた。忙しかったり、疲れていたりすると、頭ではバリエーションを設けた練習をしなければいけないとわかっていても、ついつい単に走るだけになってしまう。本書の内容を元に、自分のレベルに合わせた練習メニューを考えなければいけないと感じた。

奇しくも、久しぶりに勝ったランニング雑誌(ランニングマガジン courir (クリール))でも効率の良いマラソン練習についての記事が巻頭に書かれていた。レースペースでの練習ばかりでは意味がないことを次のようにわかりやすく書いている。
レースでは、練習では発揮したことがない力を出すことができるのです。そのように仕上げていくのがマラソントレーニングです。練習の組み立てにはこのようなマラソンの基本がわかっていることも大切です。
ランニングマガジン courir (クリール) 2013年 02月号 [雑誌]
ランニングマガジン courir (クリール) 2013年 02月号 [雑誌]

のんべんだらりと走るだけでなく(それも気持良いんだけどね)、もうちょっとちゃんとメニューを考えてみよう。