2008年2月8日金曜日

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?

ブックオフで350円で購入。もともとの価格も740円(税別)なので、高く無い。値段だけの価値はあると思うが、2.0(普通の書籍で言う2章のこと)の「ITのうそ」や3.0の「明るい未来への誤解を解く」で書かれているいくつかの企業の評価は事実誤認もある。まぁ、不当に高く評価されていたり、不当に低くされたりしている企業へのアンチテーゼとしては間違っていないと思うのだが、外部から見たときの評価と内情を知っているものが知りえる事実との違いというものを改めて感じさせた。

著者ひろゆき氏によるペシミスティックなメッセージが一貫して書かれていて、世の中の一部(私もたぶん入る)で言っている「ITで未来は明るい」とか「インターネットが拓く未来」とかそういったものをこてんぱに叩いている。正しいと思うところも多いのだけれど、本書の中で対談している佐々木俊尚氏が言う「正しいんだけど、身も蓋もなさすぎてついていけない」というのは同感だ。正しかったとしても、「それはそうだけど、こうできる」と考えるか、「所詮そんなものだ」と捉えるかで大きな違いだ。

書籍の中で、佐々木俊尚氏と小飼弾氏のそれぞれと対談しているが、両方とも面白い。佐々木氏との対談ではメディアやメディアを通しての民主主義のあり方などが語られており、小飼氏とは技術者から見たITやインターネットの今が語られている。後者はもしかしたらプログラムを書く人じゃないと半分もわからないかもしれないが、それがまた良い感じ。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)