2008年2月8日金曜日

水曜の朝、午前三時

ブックオフで平積みになっていたので購入。105円(税込み)。

大阪万博にホステス(コンパニオンのことを大阪万博では「ホステス」と呼んだらしい)として参加した主人公が死を直前にして娘に手紙で自分の恋愛について語るという、いわゆる恋愛小説なんだけど、恋愛というものを通して人生とは何かを娘に伝えている内容。主人公の人生観とともに結婚感も書かれている。冷めた考え方だとは思うのだが、同意できるところも多い。ただ、こんな人が身近にいたらやっかいだなと思うのも事実。

主人公は大阪万博の時代にすでに20代だったということで、私とは年齢がぜんぜん違うのだが、そこに出てくる時代背景などには郷愁を覚える。かかる曲、新聞記者である夫が語る時事ネタ。あの時代のにおいが感じられる。あの時代だったからこそ愛した人のルーツを知ったことで大きなショックを覚えたのだろうし、またあの時代だったからこそルーツを知ったとしても、彼との人生というのが選択肢にまだなりえたのだろう。

この作者-蓮見圭一氏-の作品は初めて読んだのだけれど、気に入った。ほかの作品も読んでみよう。

水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)
蓮見 圭一

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