2008年1月20日日曜日

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

なんかベストセラーになっているらしいのだが、タイトルだけ見てアマゾンで購入した1冊。著者の勝間氏も著名人らしい。そういえば、名前も顔もどこかで見たり聞いたりしたことがあった。

効率的な情報の取得と整理や時間管理については常に考えていて、そのためライフハックやGTD(Getting Things Done)などについては書籍を読んだり、ウェブなどでも情報を取得していた。本書もその類の本と考えてもらってよい。ただ、著者の経験談に基づくポイントを絞った明確な解説は説得力がある。ただ、あまりにも著者の実践している内容が凄すぎて、ここまではできないと読者に思わせてしまう可能性はある。

たとえば、表紙を開いて最初に出てくる見開きのページ。ここには自転車での通勤姿と思われる勝間氏と氏が使っているデジタル(だけではないけど)機器の数々の写真が掲載されている。こういうと失礼かもしれないが、思わずキカイダー(と言っても今の若い人はわからないらしい。要するに人造人間だ)を思い出してしまった。ここまでしないと情報社会では生きていけないのか。

と思いつつ、かなり自分も同じことをしていることに気づいた。携帯電話は(日本で動作するものだけでも)2キャリア(3機種)常時持ち歩いているし、ノートPCは常に1台で出張時にはバックアップのためにもう1台。今はしていないけれど、1990年代後半にはカシオがとち狂って出したとしか思えないMP3腕時計をまっさきに購入していた。同じく今は使っていないけど、シャープのザウルス、カシオのPcoket PC、IBMのWorkPad(パームのOEM)、シャープのLinux版ザウルスなどのPDAも使っていた。勝間氏と違って、健康面の管理はまったくやっていないが、それでも睡眠時間を1.5時間で割り切れる時間にする(体内時計のリズムに合わせるため)ことや極度に眠くなったときには短時間でも睡眠をとるようにすることなどは心がけている。

勝間氏の書かれていることの多くはすでにほかの書籍などで知っており、いくつかは自分でも実践していることであったが、自分の価値を発揮できないところをばっさり捨てることや読書を著者との対話にたとえるところ、優良な情報ほど価値があると考えるところなどは参考になった。読書については、以前より速読と言われるものに興味があったのだが、本書でもフォトリーディングとして紹介されている。一度きちんと勉強してみようかと考えている。

勝間氏はアウトプットの最終目標として本を出すことを勧めているが、私もこれには同意する。私が書籍の執筆をさせてもらったのはもう10年以上前になるので、私の著作(共著だったが)を覚えている人は今はもう多くないだろうが、少し前までは会う人に「あのXXXを書かれた方ですよね」と聞かれることも多かったし、本書でも紹介されているように、本が元でさらにほかの執筆の依頼や講演の依頼が来るようになっていた。本を書くことで世界が広がるのは確かだし、そもそも本を書くためには日ごろの勉強が欠かせない。普段勉強しているつもりでも、書籍として一般に販売するとなると、中途半端に理解していた部分でも完全に把握しないといけない。さらには単なる情報を整理しただけでは付加価値は生まれない。そこに新たな価値を付け足す必要があるので、情報の再加工が必要となる。勝間氏はブログからまずスタートしたほうが良いと言う。そのとおりだと思うのだが、私の場合、このブログもはてなに書いている技術系のブログにしろ、そこまでジャーナリスティックな視点を持ったものではなく、どちらかというと備忘録的なものであり、かなり私的なものだ。ただ、実名でしかも少なからずの人に読んでもらえているのだから、もう少しほかの人に役立つ情報を加えられるようにしなければと思う。

最後に、本書の最初やほかの多くのところに著者である勝間氏の実績が書かれている。氏に悪いが、ちょっと鼻についた。プレゼンテーションなどでも、プレゼンターがどこの誰かわからない場合には、権威付けのために、受賞したアワードや第三者からのレコグニションを冒頭に話すことがある。ここでの氏の実績紹介も同様のものかもしれないが、そこまでしなくても氏のすごさは皆分かっているのではないか。あと、有償の情報の価値を認め、それに対する敬意を表するためと古本は購入しないと言っている(P.155)のであるが、一方で読者には古本(古書)を勧めたり(P.91)、手元に残すわずかな書籍以外はブックオフに売ると言っている(P.162)。ちょっと矛盾を感じる。本質的な部分ではないが、今、情報商材と言われるものについていろいろと考えていたので、少し気になった。

勝間氏はほかにも「無理なく続けられる年収10倍アップXXX法」というようなタイトルのベストセラーがあるようだが、今度ちょっと書店で眺めてみよう。本書とあまり重なるところが無いようだったら、買ってみるかもしれない。


効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
勝間 和代

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