再来年から裁判員制度がスタートする。国民の意見としては、参加したくないというのが大半を占めているようだ。裁判員としての参加をためらう理由に納得はできるものの、新しもの好きの私は、実は反対ではなかったりする。かといって、賛成というわけでもない。確かに凶悪犯の裁判で、逆恨みなんてされたら叶わない(一応、裁判員に危害が加えられる可能性のある事件については裁判員が参加する裁判対象からはずされるようだが)。
判断ができないのは、裁判を自分の目で見たことがないからだ。時間があったら、裁判を傍聴してみたいと思いつつ、早数年。幸せなのか不幸なのか、身内に裁判沙汰になる人間もおらず、証人として出廷を求められたこともない。
そんな私に裁判の傍聴気分を味合わせてくれたのが、この本だ。
裁判長!ここは懲役4年でどうすか
北尾 トロ
世には傍聴マニアというのがいるようだが、傍聴初心者だった筆者がいっぱしの傍聴マニアになっていくまでが書かれている。被告や被害者、また彼らの親族という主役級の人々のみならず、裁判官や検事、弁護士、さらには傍聴人やなぜか裁判所に足しげく通う不思議な人たちを観察する。1つ1つの事件にはドラマがあり、あまりにも異質な世界に自分とは無縁のように感じてしまうが、実はいつ自分の身にも起きるかわからない事件が多くあることに気づく。
などなど書いているが、なんといっても、臨場感あふれる実況のようで面白い。電車の中で読んでいたが、笑いをこらえるのに苦労したほどだ。
裁判員制度が始まる前に、一度は裁判の傍聴をしたいとさらに強く思った。
ところで、裁判所にいる女性はみな綺麗だそうだ。知的美人ってやつか? やっぱり行かねば。
参考