2007年8月31日金曜日

クワイエットルームにようこそ

昔、精神疾患について興味を持ったことがあった。確か、「ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276)」を読んでからだったかと思う。

宝島別冊か何かで特集されていたのをきっかけに、いろいろな書物を読み漁った。中には実際の精神病院に病気と偽って入院したのを書いた「新ルポ・精神病棟」などもあった。さらには、その後、精神医学だけでなく、心理学関係の書物も読みまくった。あとから聞いたのだが、母親は息子が何かおかしな方向に行ってしまっているのではないかと心配していたそうだ。

さて、「クワイエットルームにようこそ」なのだが、実は、一度、最初の数ページを読んで、どこからか、「これはお前が今読む本でない」とささやく声が聞こえてきたために、読むのを断念してしまった本だ。

そのため、今回、再度挑戦ということになるのだが、ヘビー(あとから考えると、それほどヘビーでもなかった)なのは、最初数ページだけで、そのあとは軽快なリズムでテンポ良く読める。ただ、読後に何も残らないのはなぜだろう。アマゾンのカスタマーレポートなどを読むと、笑うための本として評価されている。そうなのか。だとしたら、私の笑いのツボにははまらなかった。かといって、じっくり考えさせられるほどの深さはない。

クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)
クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)

この本、第134回芥川賞候補だったそうだ。けど、ちょっと今の私の趣味ではない。