2010年5月6日木曜日

六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?

ゴールデンウィーク中の5/4に六本木クロッシング2010に行ってきた。六本木クロッシングとは、「日本のアートシーンの“明日”を見渡すべく、多様なジャンルのアーティストやクリエイターを紹介する(森美術館のサイトより)」3年に1回開催される展示会だ。

参照: 3年前の六本木クロッシング2007の時の感想

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3年前に比べると、正直、今回のほうが感動が薄かった。アナログレコードプレイヤーに連動させてオブジェ全体からサウンドを発する展示があったのだが、この隣接する部屋に別の音がテーマの展示があった。後者のほうが小さい繊細な音を使用していたのだが、当然、前者の展示によって打ち消されてしまう。なんとも残念だった。

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あと、写真の展示では照明の映り込みもすごい気になった。

3年前の展示で「吉村芳生氏のドローイング新聞(ある日の新聞を鉛筆で克明に描写-再現というほうが適切か-したもの)」に目を奪われたのだが、今回も同じようにCDジャケットを克明に手描きで再現し、楽曲も自分の肉声で再現(こっちは再現とは言えない。自分の肉声で解釈というのが良いか)したものがあった。なかなか面白い。

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ちなみに、今年初めにCyber Arts Japan(サイバーアーツジャパン - アルスエレクトロニカの30年)という展示会を東京現代美術館で見てきたが、個人的にはこっちのほうが面白かった。

六本木クロッシングは3年後に期待。

2010年5月5日水曜日

最近行ったライブコンサート(2010年1月から4月)

Twitterのほうで書くことが多くなったからという理由だけではないと思うのだけど、行ったライブコンサートや見た映画や展示会などのことを書かなくなってしまった。自分の記録としても困るので、今年の4月までに行ったライブについてまとめておく。

Norah Jones@赤坂BLITZ on January 20th

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CDを買って当選した一夜限りのスペシャルライブ。1時間ちょっとの短い時間だったが、Norahは相変わらず可愛くて、バックのクオリティも素晴らしく高いものだった。残念だったのは、招待客が多かったみたいで、客のノリが今ひとつ。オールスタンディングだったにも関わらず、腕組みしたまま仁王立ちして聴いてどうする。

一夜限りのスペシャル・ライブ開催&レポ-ト掲載!」に写真あり。

Jeff Beck来日公演@東京国際フォーラム on April 13th

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Jeff Beckは昨年のEric Claptonとの共演コンサートに行って、年齢を感じさせない驚異的なプレイに愕然としたのだけれど、今回は昨年以上の出来だった。ベースの可愛いTal Wilkenfeldがいなくなってしまったというのを聞いてショックを受けていたのだが、今回のベース(これも女性)のRhonda Smithも素晴らしかった。可愛らしいという感じでは到底無いのだけれど、ボーカルもこなして迫力のあるベースはさすが。Jaco Pastoriusを思わせるようなハーモニクスで始まるベースソロもあったりで、世界のレベルは高いなと思った。ちなみに、検索して知ったんだけど、トヨタ問題で米国の下院委員会の公聴会で証言にたったRhonda Smithさんは同姓同名の違う人 ;-)。

カナダ出身のベーシスト、ロンダ・スミスは、ジャコ・パストリアスとスタンリー・クラークを幼少時のアイドルとし、モントリオールのMcGill Universityでジャズを学び、様々なカナダのアーチストと共演。ドイツのミュージック・コンヴェンションにてシーラEと会うチャンスがあり、あのPrinceの新しいバンドのオーディションを受けたところ、気に入られ、その日にアルバム『Emancipation』のベース・パートを録音。その後もアルバム・レコーディング、ツアー、New Power Generationへの参加などPrinceのファースト・コール・ベーシストとして彼のサウンドを支える重要な役割を担いました。

また、他にもChaka Khan, Beyonce, T. I., Erykah Badu, Patti Austin, Patrice Rushen, Brenda Russell, Lee Ritenour, Larry Graham, Patti Labelle, Little Richard, Justin Timberlake, Najee, Candy Dulfer, Kirk Whalum and George Clintonなど多くのアーチストと共演する、まさにファースト・レディ・オブ・ベースというべき存在です。

http://www.hmv.co.jp/news/article/1002230069/

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Jeffのギターテクニックの凄まじさは当たり前だけど、それ以上にギターを楽しんで弾いている感じが伝わってくる。今まで聴いた中で一番、ギターで「歌っている」というふうに感じた。多少リズムの乱れなどあったみたいだけど、まったく問題なし。実は、新作"Emotion and Commotion"は聞かないでライブには行ったのだけれど、それでもその新作からの楽曲にもすぐに楽しめてしまえるほど。

今年で66歳だったかと思うが、彼と同じ時代に生きていられる喜びを感じた。

G: Jeff Beck
B: Rhonda Smith
D: Narada Michael Walden
K: Jason Rebello

原田真二@六本木スイートベイジル(STB139)on April 8th

YouTubeで原田真二の昔のビデオを見たり楽曲を聴いたりして、Twitterで騒いでいたら、フォロワーの人から最近でもライブがすごい盛り上がっていることや近々六本木スイートベイジルでライブがあることを教えてもらい、勢いで予約して行ってきた。

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開場前にSTB139に来てみると、私と同年齢かもう少し年配の女性の方々ですでに列が出来ている (^^;;; 順番を待って会場内に案内されると、まだステージの前のあたりでも席はとれそうだったが、さすがに先程の年配の女性の方々の間で聴く勇気はなく、1段高いステージ横の席をとる。

ライブは最初からのりのり。往年のヒット曲を中心に、最近の曲(ほとんど知らない)、どっかの学校のために書いた校歌(意外に良かった)などなど。「タイムトラベラー」を会場全員に歌わせるなど、エンターテイメントとしても楽しめる。昔のニューミュージックとかフォークの歌手ばりにMCがちょっと長いのには辟易とした(だけど、一緒に行った友人は楽しめたと言っていた)のだけれど、全体としてはあのサービス精神は流石。昔のように反骨な感じがあまりしなかったのが残念だけど、逆に等身大のアーティストとして身近に感じられた。

ライブの後にCDを買ったらサインしてもらえるというので、サインまでしてもらってしまった。なんてミーハー。

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そういえば、ゴールデンウィーク中にどっかでフリーライブをやっていたんだった。しまった、行くの忘れた。

番外編

昨年の10月にはサンフランシスコのYoshi'sでDavid Sanbornのライブにも行っていた。

昨年12月のロンドンでは、"We Will Rock You"のミュージカルにも行った。そういやロンドンではBritish Music Experience (The O2 bubble)にも行ったし、ちょうどやっていたMichael ackson: The Official Exhibitionにも行けた。あぁ、ロンドンは良かった。また行きたい。

2010年4月19日月曜日

アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ

この種の書籍のレビューは自分の仕事と関係が深いこともあって、なかなかやりにくい。実際に書けないことも多い。歯切れがいつもにも増して悪いと思ったら、その所為だと思って欲しい。

アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書)

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関連商品
iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)
ウェブ大変化 パワーシフトの始まり~クラウドだけでは語れない来たるべき未来 (KINDAI E&S BOOK)
電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)
クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)
ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書)
by G-Tools

本書は「クラウド」という、その業界の真っ只中にいる人でさえ説明しにくく、もしかしたら単一の定義さえ無いのではないという概念をわかりやすく解説するものだ。類書は数あれど、解説の切り口は端末側においているのは面白い。このほうがそれこそ「雲をつかむような」話を自分の手元にあるデバイスと関連付けて考えられるので、理解はしやすいだろう。

クラウドのベンダーとして、グーグルとマイクロソフトが入るのは至極当たり前であるが、アップルをそれに並べて評価するところも新しい。著者いわく、課金システムとアプリケーション配信プラットフォームであるiTunesを抑えているアップルはクラウドという言葉さえ使わずに、実質的なクラウドでの勝者となる可能性を秘めていると言う。現在のiTunesの課金やアプリケーション配信がそこまで優れているかは別にして、確かにクラウド上でサービスを組み立てるに際して、課金は重要なビルディブロックだ。だからこそ、どこも「*** マーケット」を確立する。

アマゾンが入っていないのは、本書がPaaS (Platform as a Service) ベンダーを取り上げる方針をとっているため。ちなみにクラウドは、IaaS (Infrastructure as a Service)、PaaS (Platform as a Service)、SaaS (Software as a Service) に分類され、現在のアマゾンはこのうちIaaSを提供している。

切り口は面白いし、非情にわかりやすく書いているので、短時間で読める。ただ、内情がわかっているものからすると、少し事実誤認がある(それを書けないのももどかしいのだが)。自分の知らない部分でも間違っているところがないかが気になってしまう。また、ややカジュアル過ぎる気がする文体も好みが分かれるかもしれない。また、すでにクラウドなどを知っている人にも物足りない。業界外の人向きと考えた方が良い。

なお、本書は光文社からの献本だ。ありがとうございます。

2010年3月21日日曜日

自分をデフレ化しない方法

自分をデフレ化しない方法 (文春新書)

文藝春秋さんから送られてきた一冊。どういう基準で私に送ってきてくれたのかわからないのだが、文字中毒で特に好き嫌いのなく、読書についてはまったくの雑食である私としては素直に嬉しい。

まず、表紙にびっくり。書店にいても、最近は勝間さんの本をできるだけ見ないようにしていたので、改めて近距離で見ると、あまりの迫力にちょっと怖い。いや、かなり怖い。彼女といい、ほかにも売れっ子になって顔を表紙に入れまくっているほかの人たちといい、書籍の表紙に自分の顔を入れる人ってどういう気持なんだろう。1冊や2冊ならわからないでもないが、ここまで多くあると、出版社から押し切られただけではないんだろうなと思う。まぁ、私も自分のブログとかTwitterとかでしょっちゅう顔写真を変えたりして遊んでいるから他人のことをとやかくは言えないが。

本書の内容は彼女が管さんの国家戦略室に行った提言をわかりやすく説明したものだ。現在の景気低迷の原因であるとする彼女の説とそれを打破するための提案が書かれている。説明は基本いろいろなレポートや書籍などからのデータを元に行う。自然、引用などが多い。そのような書籍はほかにもあるのだが、どうにもなんだか気になってしまう。同じような内容を望むならば、専門書に成りきっていないし(当たり前。最初からそれを狙っていない)、大衆向けの解説書ならば、もっと優れた本がある。まぁ、これは好みの問題なので、彼女の語り口が好きならば、必ずしも悪い本ではないと思う。

ただ、「第2章 デフレ時代のサバイバル術16カ条」はいただけない。当たり前のことしか書いていないし、内容が薄い。これならば、マネー雑誌のほうがまだためになる。
  1. まずは収入の2割を貯める
  2. 蓄財は投資信託を活用する
  3. 住宅ローンは慎重に
  4. パソコンは買っても車は買うな
  5. 教育費は年収の10パーセントまで
  6. 290円弁当は本当にトクか
  7. 安いだけの服は買わない
  8. 究極の節約法はタバコ、酒をやめること
  9. 自分の会社の実力を知る
  10. 日常の仕事自体が自己研鑽につながる会社選びを
  11. 資格マニアになるな
  12. 低コストを生かした将来投資を
  13. どこでもよいから正社員就職する
  14. 結婚はリスクヘッジになる
  15. 結婚リテラシーの必要性
  16. カイゼン方式でストレス解消
それにしても、Amazonでの彼女の著作のコメント欄は面白い。批判するほうも支持する方も。こういう時って、どうしても批判する方が大勢になりがちだが、世の多くのカツマーの人たちにもっとガンバッテ欲しい。

私自身は以前2冊ほど彼女の著書を読み、それなりに考えさせられるものがあったのだが、なんか最近はもうお腹いっぱい。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

生きているだけで、愛。」に続いて、本谷有希子さんの小説を読んでみた。順番から言うと、こっちのほうが先の作品みたい。

あとがきで高橋源一郎氏が従来の劇作家の小説は舞台での戯曲をそのまま小説にしたのが多かったが、本谷作品は違うというようなことを書いていた。わからなくもなくはないが、私には、この小説はかなり戯曲を意識させるものに感じた。所詮、この世は現実世界も演劇のようなもの。現実においても人は演技をしているし、劇の世界でも生身の人間を見せる必要がある。寺山修司氏が言ったように。

この小説は不幸のエンターテイメントだ。不幸と悪意と憎悪、それらをミックスして、エンターテイメントのトッピングをしたような感じだ。はじめから、著者が劇団も主宰していることを知っていたのでバイアスがかかってしまっているかもしれないが、読みながらも脳内に現団員たちの演技している姿が浮かぶ。

読んだ後に何か大きなものが残るわけではないが、不幸のエンターテイメントを見た後の清涼感が残る。

こんな感想を持つのは私だけかもしれないが、みんな不幸を楽しんでいるところがあるはずだ。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

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関連商品
江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)
生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)
幸せ最高ありがとうマジで!
ぜつぼう
遭難、
by G-Tools

いや、本当の不幸は楽しめない。だからこそ、「悲しみの愛」。腑抜けの私はそれを見せれるまで強くならなければ。

2010年3月11日木曜日

人を褒めるときの言葉

他人を褒めるとき、特にその人の優秀さを称えるとき、「頭が良い」とか「頭の回転が速い」という言葉を使いたがる人がいる。特定の人というわけでもなく、一般的に誰でも使う言葉だ。

僕はこの言葉が嫌いだ。周りの優秀な人間を見るにつけ、自分の能力の低さに幻滅することが多く、だからこれらの言葉も敬遠するようになった。

その代わりに素敵だなと思ったのが「しなやか」という表現だ。

「あの人はしなやかだよね」

まだしっくりこない。だが、バレエのような柔軟な思考が思い浮かぶ。

あと、「スマート」という言葉も好きだ。

これは、"Work Hard" の代わりに "Work Smart" というほうが良いのではないかと知人に指摘を受けてから気に入っている。仕事だけでなく、人にも使いたい。

「あの人はスマートな人だよね」

言葉を考えるだけでは、そのような理想に近づくことは出来ない。頑張れ自分。

2010年3月2日火曜日

サヨナライツカ

人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す
主人公豊の婚約者(後に妻となる)、光子の詩。中で何度も繰り返される、これがこの小説「サヨナライツカ」のテーマだ。

実際の詩はもう少し長い、最初は次のように始まる。
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
人間は生まれた瞬間から死に向かって生きている。死に向かう人間にとって、別れは常に必然だ。いつか別れがやってくる。いつかさよなら、サヨナライツカ。この言葉遊びのようなカタカナを冗談のようにリズミカルに口に出している光子の姿が目に浮かぶ。実際には、光子は小説の中ではほとんど登場しない。だが、実はこの光子がすべてを見通した上でこの言葉を口しているのではないか。彼女こそが永遠の愛に生きる夫との別れを意識し、それと背中合わせに生きているのではないかとさえ思う。

ちょうど先月、これが原作の映画が上映されていたので、ストーリーは知られているかもしれない。バンコクに駐在する豊は婚約者(光子)がいるにも関わらず、妖艶な女性、沓子に魅了される。結婚式が迫るなか、人目も気にせずに愛を育む。結婚式の日に別れが来ることを知りながらも。結婚式のために光子とその家族がやってくる日に、沓子は日本へと旅立つ。豊は愛に生きることを選ばない。25年後に二人は再開するが、その先にも別れが待っていた。

ストーリー自体は特にひねりも無い。起承転結があるわけでもない。だが、理屈でない愛の世界を描くには、ストーリーはこのくらいシンプルなほうが良い。辻仁成の語り口は、男視線であるかもしれないが、読むものを離さない。Amazonのレビューでも何人かが男の身勝手な行動というように書いていたが、沓子も身勝手な理由で豊を誘惑した。つまりは、始まりはいつも身勝手。恋愛小説に身勝手云々を言うこと自体野暮だろう。

小説の舞台が南国なのもまた魅力の一つ。日本人は日本人の血として南国に郷愁を抱くように生まれてきている。僕は南アジアは行ったことが無いのだが、それでも想像できる湿度、風の心地よさ。いつかバンコクに行ってみたい。

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

実は、この小説を読む前に映画を見た。これが本当にひどい出来だった。小説を読んでみてわかったのだが、ストーリーが違う。映画にするあたって、端折らなきゃいけない部分が出たというのならまだわかる。根本の、たとえば沓子が豊を誘う理由などが省略されていたり、光子がバンコクに来て、沓子に別れを迫るなど、まったく違うストーリーになっている。

映画のクオリティという面でもひどかった。25年後の豊(西島秀俊)と沓子(中山美穂)のメイクはどこのお笑いコントかと思ったし、航空会社のトップに上り詰めた豊を描くときのビジネスのシーンなどがあまりにも現実離れしているのにも失笑を禁じ得なかった。



だが、それでも南国の雰囲気は映画からも伝わってきたし、中山美穂は綺麗だった。こんなひどい出来の映画だったのに、エンディングで涙が出てしまったのは、きっと中山美穂が綺麗だったから。まぁ、年齢とともに涙もろくなっているというのもあるだろうけど。

小説のあとがきに辻仁成が書いている。
この小説によって、私は一人の女性と運命をともに歩き始めることになった。
そうか、彼にとっても運命的な作品だったのか。

正直、これを読むまで、いや、読んだ後でも、辻仁成という作家はあまり得意ではない。ナルシストの権現みたいな存在そのものを毛嫌いしている。決して、南果歩とか菅野美穂とか中山美穂とか女をとっかえひっかえしやがってとかと思っているわけではない。なんで、江國香織さんは作品のコラボをするんだろうとさえ思っていた。この小説でも、「好青年」というような言い方で豊を形容しているが、その美的センスは私とはずれているし、読んでいてやはり気持ち悪いと思うところもある。だが、この作品で多少イメージが変わるかもしれない。それほどインパクトがあった。
この小説を、愛に生き、愛に苦悩する全ての人々に捧げたい。
相変わらずキザなやつだ。エコーズのころ、オールナイトニッポンのDJをやっていたころと変わらないね。