「カルト」の正体。 (宝島社文庫) | |
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新宗教(新興宗教)を中心に、カルト現象を紹介していて面白い。結構、新宗教の本はほかにも読んでいて、いっぱしの宗教おたくくらいには宗教を語れるのだけれど、ブログで個別の宗教について何か書くと大変なことになりそうなので、ここではそれには触れない。
普段から思っているのだけれど、結局、社会というのは個人と団体との関係で成り立っていて、団体というのは多くは個人に対する忠誠を求めるために宗教的になりがち。その意味では、中でも書かれているが、某宗教団体からの脱退を助ける団体がカルト的になっているのは象徴的か。
カルトの定義をこの本では、いくつかの項目とともに「反社会的」かどうかで判断するようにしているが、「反社会的」かどうかというのも、マジョリティである「社会」という巨大な団体が決めたに過ぎない。つまりは、社会における団体のすべてがカルトではとさえ思えてくる。極論だけど。
私ならば、カルトかどうかの判別は子供が幸せかどうかで決める。カルトと呼ばれている団体に属している人の子供は決して幸せではない。それは「カルトの子―心を盗まれた家族」を読むとわかる。この本は5年以上前に読んだが、涙なしでは読めなかった。ちなみに、この本、今は文庫でも出ているみたい。
カルトの子―心を盗まれた家族 (文春文庫)
米本 和広