現在、インターネットは情報を発信する者にとって低コストで多くの読者にリーチできる基盤としての位置を確立しており、たとえば著名ブロガーの記事は時として一般ニュースサイトのそれよりも影響力を持つようになっている。
一方、情報を収集する側にとっても、インターネットの登場により、それ以前とは比べ物にならないくらい容易に、また効率的に情報を収集することができる。ただ、漫然と検索エンジンで検索しているだけでは、本当に必要な情報にたどり着くことはできないし、またどのような情報を収集すれば良いのかもわからないことが多い。検索ボックスの前で「いったい何を検索すれば」と悩んでしまうことも少なくはないだろう。
佐々木氏は、あるトピックの専門家になるための情報収集および整理術を、ある調査を実際に行った結果をインターネットを使った情報活用のケーススタディのような形でまとめ、読者に提示する。巷には、「グーグル仕事術」のような書籍や雑誌記事にあふれているが、単なる検索オプションの使い方だったりすることも多い(それはそれで使いこなして欲しいが ;-))。この書では、検索テクニックではなく、いわゆる情報リテラシを高めるためのヒントが書かれている。自分でも同じようなことをしていたつもりではあるが、プロの術はやはり参考になる。お勧め。細かいことを書くと、本書のネタバレになってしまうので書かないが、私はこれに加えて、Googleニュースでの記事比較を行うことを勧める。同じ記事でもトーンが違うことがわかったりして、結構参考になる。これについてはまた機会があったら書いてみようと思うが。
3時間で「専門家」になる私の方法 | |
佐々木 俊尚 PHP研究所 2007-09-11 売り上げランキング : 6008 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687) フラット革命 スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14) モバゲータウンがすごい理由 ~オジサンにはわからない、ケータイ・コンテンツ成功の秘けつ~ |
佐々木さん、毎度、贈呈感謝です。
ちなみに、ページ19で以下のように書かれているところは単位換算がちと間違っているかと思いますが、大勢に影響の無い範囲かとは思いますです。
新聞1部の情報量は、おおむね50万~70万文字だといわれています。コンピュータの単位でいえば、25~35万バイト。つまり25~35メガバイトですね。フロッピーディスクでいうと、30枚前後。CD-Rであれば、20部ぐらいは収まる計算になります。