テレビ東京のワールドビジネスサテライトで韓国企業急成長の秘密として、徹底した成果主義と熾烈な出世競争について紹介されていた。
タイトルに書いた「定年45歳。38歳は分岐点」というのは、実際に韓国で流行語になっている言葉だそうだ。番組ではサムスングループが例として取り上げられていたが、サムスングループでは、40歳で部長、45歳で役員になるのが一般的な出世コースで、このコースから外れた人はリストラの対象だとか。実際、2006年のサムスングループの役員の平均年齢は47.5歳で、40代の割合は68%。番組の中ではサムスンのエンジニアが「30代後半からエンジニアは激減する」と言っていた。
ここまでが前半。これだけ見ると、人間味のない厳しい企業のように見える。管理職に就きたくないエンジニアを認めないというような社風というのはどうなんだとも思う。
だが、後半を見て、その考えが一変された。後半ではサムスンを早期退職した人の中から優秀なベンチャー企業経営者が出ていることが紹介される。これが人材の流動化を促進する材料となっているようだ。
振り返って、日本を見てみると、大企業が優秀な技術者を抱え、そのくせ彼らにイノベーティブな仕事をさせるわけでもない。技術者もそのような温い環境を良しとし、外部に飛び出すことはない。人材の流動化と言われて久しいが、優秀な人は大企業を抜けようとしない。
このままでは韓国企業によるハイテク分野を始めとする成長市場での躍進をとめることはできないんじゃないか。
と、以上のようなことを思った。実は日本企業にいたことはないから、本当のところはどうなのか知らない。
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その後、「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」という書籍レビューを書いた。参考まで。