2007年12月9日日曜日

PEACE BED アメリカ VS ジョンレノン

12/8はJohn Lennonの命日。なので、本当は昨日行きたかった。

JohnがFBIから監視されていたというのは有名な話だが、このドキュメンタリー映画ではアメリカから国外退去を命じられた1973年からグリーンカード取得の1976年までを中心に、Johnとアメリカ政府との闘いを観ることができる。

私はJohnが暗殺されたときは中学生だったので、まるっきり世代が違うわけではないが、この映画で観ることのできる映像の多くは初めて観るものだった。私がちょうどロックミュージックに目覚めたころは、彼は主夫(ハウスハズバンド)として活動を休止中であり、私の知っているJohnはBeatlesのポップな音楽の作者であり演奏者である彼だった。

名曲、"Give Peace A Chance"にしても、詳しい背景までは知らなかった。ベトナム戦争のことは映画-たとえばKilling Field(そういえば、この映画はWingsのBand on the Runで始まり、エンディングがImagineだった)-や書籍などで知っていたが、Johnの発言と重ねることで、当時のアメリカの状況とそれに反対する若い世代などが映像の中で見事に再現される。

今は平和が当たり前のように感じるかもしれない。私も日々の生活で平和に感謝することは無い。だが、平和というのは何だろう。自分の身近に戦死者がいないことではないだろう。映画の中のJohnは静かに、「平和」について語りかけているようだった。

平和を訴えるJohnとそれを敵視する国家権力との闘いがこの映画のテーマではあるが、Johnがグリーンカードを取得した日-それはJohnの誕生日であり、さらには息子Seanの生まれた日でもある-にJohnが本当に幸せそうだったと語るYoko Onoの姿が妙に印象的である。Johnのその後を知っているからかもしれないが。

あと、映画館でパンフレットも購入したが、その中に日本の著名人のこの映画へのメッセージが書かれている。ロックミュージシャンなどのメッセージも多いが、最も印象的だったのが、樹木希林氏の次の言葉だ。
同時代に生きていたのに私のような無関心が彼を殺す。
ジョン・レノンの孤独はオノ・ヨーコが支えてる。昔も今も。
さらに、逆の意味で印象的だった(というよりも衝撃的だった)のは、同じくパンフレットに載っていた一枚の写真と文章。ニクソンと握手するあるミュージシャン。「大統領、お気をつけください。ビートルズはアンチ・アメリカ勢力に巨大な影響力を持っています。そして彼らはアメリカの若者に悪影響を及ぼします。~エルビス・プレスリー」

ちなみに、その写真はWikipediaで見ることができる。