昨日、帰国してすぐに、彼(亡くなった元上司)の自宅に電話した。名前を言うとすぐにわかってくれた。お通夜にも告別式にも参加できなかった無礼を詫び、できれば早くに位牌に手を合わせたいというと、いつでもどうぞという。
彼には「次回は子供の写真でも見せますよ」と約束していた。今日持っていこう。子供に「お父さんの大事な人が亡くなったんだよ。君のこともいろいろ考えていてくれた人だよ」と話した。私と子供で撮影。でも、彼とは血のつながってもいない子供の写真。迷惑じゃないだろうか。でも、約束は果たしたい。
日曜日の午前中。台風が迫っているためか、雨と風が強い。ガラガラの首都高を飛ばして、1時間半ほどで到着する。
自宅では娘さんと奥様が犬と一緒に迎えてくださった。犬はとても人懐こい。後で、教えてくれたが、彼が親しかった人はすぐにわかるのだそうだ。腕にしがみついて離れないと。確かに、犬が私の腕をしっかりとつかんでいる。
お線香をあげさせていただき、「次に来るときは、子供の写真をお見せしますと約束していたので、もし迷惑でなかったら」と言って、写真をお渡しした。喜んでいただけた。ほっとした。でも、本当は彼に生きているときに見て欲しかった。彼はなんて言っただろう。「及川さん、そっくりだね」。そんな風に言うのだろうか。独特のイントネーションで話す彼が想像できる。
写真では子供にメッセージを書いた紙を持たせていたのだが、それも喜んでいただけた。本当によかった。
息子さんにもご挨拶できた。小一時間ほどお邪魔したが、私の知らなかった家庭人としての彼の姿を知ることができた。生きているうちにもっと知りたかった。
帰路、親父の墓にも寄る。親父にも報告。