職場はなぜ壊れるのか? それは壊す人がいるから。私から言わせればそうだ。
モラルハラスメントやパワーハラスメント、セクシャルハラスメントにジェンダーハラスメント。すべてのハラスメントは相手がどう思うかで判断される。それはそうだが、誰からもハラスメントだと思われる人がいる。本人に言っても気づかない。気づいていても、開き直られる。逆ギレされる。実際にはそのようなケースも多い。
職場はなぜ壊れるのか―産業医が見た人間関係の病理
荒井 千暁
本書では、成果主義の功罪を説く。前半ではいろいろなケースを取り上げている。中には少し極端かと思うものもあるが、それは私が世間知らずなだけで、現実はこの通りなのかもしれない。ただし、成果主義に対する代案を示してはいない。産業医としてその立場にないからだ。
私は、もっと社員や中間管理職が自分たちの問題として捉え、形骸化しないように改善していくことで、成果主義は再び生き返るのではないかと思う。ただし、関係者全員が強い意志でサポートすることが条件だ。もしそのような覚悟がないのならば、導入すべきではない。一番避けるべきことは、機能していないルールにも関わらず、見てみぬ振りをすることだろう。