はてなブックマークで見つけたが、あまりにも最近、私と友人で交わした会話に似ていて驚いた。
『SWAN SONG』の結末近く、あまりにも暗く陰惨な地獄をくぐり抜けたあと、主人公の尼子司はこう呟く。
「醜くても、愚かでも、誰だって人間は素晴らしいです。幸福じゃなくっても、間違いだらけだとしても、人の一生は素晴らしいです」と。
これこそ、『SWAN SONG』一編を貫くテーマである。ひとの一生の価値は、成功したとかしないとか、幸福だとか不幸だとか、そんなことで決まるわけではないということ。
しかし、司の恋人柚香は、そんなかれの言葉をあっさりと否定する。「そんな、きれい事なんか聞きたくないです」と彼女は言う。
私の友人も「そんなきれいごとは聞きたくない」と言った。私が友人に対して、「今まで生きてきたことはすべて糧になって、今のそして将来のお前のプラスになる。恥じることは何も無い」と話したときのことだ。友人は「お前は仕事を愛し、仕事に愛されているからそういうことが言えるんだ」と言う。そんなことはない。私だって嫌なことはたくさんあるし、正直選択を誤ったと思うことだってたくさんあった。だが、私はすべて将来の自分にプラスに働くと信じている。消したい過去だって、いつかは何らかの形で活かされる。
オプティミスト。根拠の特に無い楽観主義者だ。ただ、今の状況を楽しむことが現状を打開することだと信じている。この「どうか、あなた自身を許してあげて下さい。」に書かれているのは、楽しむことができないまでの不幸な状況に陥った人の話だと思うので、もしかしたら私が想定している範囲外かもしれない。だが、私の場合は、どんな状況もフィールドスタディだと思えば、楽しむことができた。
友人には次のようなメールを送った。
Steve JobsがStanfordの卒業式典で "You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future." と言っているように、自身の得た経験というのはそのときにはわからなくても、後になって繋がってきて何かを生み出すものだと思う。
この言葉がどこまで友人に届いたかはわからない。
ところで、「SWAN SONG」って知らなかった。小説かと思っていたが、ゲームらしい。Amazonで見てみると、18禁となっている。このサイトに詳しく内容が書かれているが、これを見ると性的表現のためにアダルト向けとされたわけでもないようだ。こんな業界で長年働いていながら、実はゲームはほとんどしない。だが、これはちょっとやってみたくなった。