2008年4月7日月曜日

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

私の友人で、「XXXという仮説があって」というように「仮説」という言葉を多用する人がいる。そんなこともあって、この本を読んでみた。以前から気になっていたんだけど、なぜか伸び伸びになっていたので、友人に感謝。

書いてあることは、極めてシンプル。情報を網羅的に集め、分析し、結論を出すというオーソドックスな考え方を「網羅思考」と呼ぶとすると、その反対に多少乱暴でも良いので持っている情報だけで仮説を立て、それを検証していく考え方を「仮説思考」と呼ぶ。

本書の中でもビジネスパーソンに必要なものは、1) 先見性、2) 決断力、3) 実行力であると述べている。このうちの最初の2つに「仮説思考」を用いたスピーディーな処理が助けになる。仮説にも2つの種類の仮説がある。問題発見の仮説と問題解決の仮説である。上の1)と2)にそれぞれ当てはまると考えてよい。

本書はこの「仮説思考」の考えを説明した後にさまざまシーンにおける「仮説思考」の使い方を解説する。読みやすいが、中身は薄くない。

考えてみると、ウェブ系の仕事の場合はテストマーケティングやエクスペリメント(実験)として、少し異なる機能やインターフェイスを持ったものを出し、それをユーザーに評価してもらい、公式の提供にまで持っていくことが多い。ABテストと呼ばれているものなどは代表的なものだろう。これこそ、まさに仮説を検証する作業にならない。ただ、これが実際に効力を持つのは、仮説を実証するまでの時間が限りなく速くできる場合のみだ。ネット時代において、成功の可否をわけるのはやはり組織の機動力の差なのかもしれない。

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
内田 和成

4492555552

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