2008年11月30日日曜日

椎名林檎 (生) 林檎博 '08

金曜日に椎名林檎の10周年記念ライブ、「椎名林檎(生)林檎博 '08」に行ってきた。場所はさいたまスーパーアリーナ。思ったよりも遠くない。

一言で言うと、極めて上質な歌謡ショーという感じだ。ロックやポップスのライブというよりも、完成度の高い演劇を見たような感じがする。

会場に入ったとたんにオーケストラ(斉藤ネコ指揮)が目に入ったので、DVDでも発売されている「第一回林檎班大会」が思い浮かび、実はもっとワイルドなバンドっぽい演奏を期待していた私は、そのとき少し醒めてしまった。しかし、曲を聴いていくにつれ、どんどん引き込まれていき、終わってみたら、あまり好きでなかった「平成風俗」の大ファンになっている自分がいた。

途中のしかけも10周年にふさわしい。息子さんの愛らしさに、林檎さんの違った面を発見したし、兄・純平氏とのデュエットは大変盛り上がった。

アンコール前のラスト、カリソメ乙女はJamie Cullumのライブの感想をポストした際に、コメントで教えてもらったDEATH JAZZ ver.の方。メリハリの利いた展開で、林檎さんの演奏もワイルドながら女性らしいかわいらしさも見える。最後ひく際に後ろに倒れこむところまでのスピード感に溢れた演出もすばらしい。「冗談よ。サヨウナラ」。

個人的には昨年の東京事変のライブが、ライブの躍動感が感じられるので好きだった。今回のライブを見終わった後も友人とそのように話した。しかし、終わってから2日経った今になってみると、今回のも、また違った趣で、これも捨てがたいと思える。ライブで演奏された曲をずっとiPodで聴いているし、昨日などは別件で埼玉に行っており、思わず、さいたま新都心まで出そうになっていたりした。

以下、セットリスト。

1.ハツコイ娼女
2.シドと白昼夢
3.ここでキスして
4.本能
5.ギャンブル

椎名林檎デビュー10年の軌跡スライドショー(ナレーションあり)「林檎の筋」(オーケストラによる 葬列 の演奏付)

6.ギブス
7.闇に降る雨
8.すべりだい
9.浴室
10.錯乱
11.罪と罰
12.歌舞伎町の女王
13.ブラックアウト
14.茎
15.積木遊び

椎名林檎の生い立ちスライドショー(息子さんのナレーションあり)「林檎の芯」(オーケストラによる やっつけ仕事 の演奏付)

16.この世の限り(椎名純平とデュエット)
17.玉葱のハッピーソング(椎名純平とデュエット)* ライブでは「オニオンソング」と紹介されていたマービンゲイのカバー
18.夢のあと
19.御祭騒ぎ
20.カリソメ乙女(DEATH JAZZ Ver.)

アンコール1
1.正しい街
2.幸福論 悦楽編

アンコール2
1.みかんの皮
2.余興(新曲)* タイトルは未確認

エンドロール 丸の内サディスティック



平成風俗
平成風俗カリソメオーケストラ ナダタルオーケストラ マタタビオーケストラ


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2008年11月27日木曜日

マルチ

マルチという言葉は魔法の言葉だ。

私だけかもしれないが、「マルチ」と聞くと、「マルチ商法」に代表されるように、なにか胡散臭いものを感じてしまう。

だけど、最近、私の尊敬する杉作J太郎がマルチタレントと紹介されているのを見て、これもステキだなとか思い始めた。

漫画家・俳優・タレント・ミュージシャン・ライター・映画監督。どれがメインかわからない。彼がそうだとは言わないが、「自称」と言われかねないものでも、言ってしまったものが勝ちとも言える。

私も今度、職業欄というものに記入する機会があったら、「詩人・コラムニスト・ミュージシャン・アスリート・登山家・会社員」と書いてみよう。えっ? いつから職業欄は希望妄想を書くようになったのかって? まぁ、いいじゃないの。

参考: 死をポケットに入れて

2008年11月25日火曜日

思考の整理学

何故、こんな古い本(1986年)が重刷されて、書店で平積みにと思ったのだが、ぺらぺらめくってみて、興味を惹かれたので買って読んでみた。これがリアル書店の良いところ。

まず、最初にグライダー人間と飛行機人間(もしくはグライダー能力と飛行機能力)という言葉が出てくる。この言葉が本書のテーマとなっている。
 ところで、学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力では飛び上がることはできない。

<中略>

 学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機などがまじっていては迷惑する。危険だ。学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちにチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしくなって卒業する。 

<中略>

 人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の仲に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで、独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるかわからない。

<中略>

 この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを心掛ければよいかを考えたい。
 グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターという飛び抜けて優秀なグライダー能力のもち主があらわれたからである。自分で翔べない人間はコンピューターに仕事をうばわれる。
1986年(実際には文庫化の前に1983年に別タイトルとして発行されているので、1983年だ)の段階でコンピューターを計算機としてではなく、人間の知識処理を手助けする機械として認識していた先見性に驚く。今でも、いや、今こそ、この考え-すなわち、「グライダー兼飛行機のような人間となる」は重要だ。

本書で述べられている具体的な手法はパーソナルコンピュータやインターネットが発達、普及した今ではやや古臭く感じるところもあるが、考え方そのものは今でも新鮮だ。

寝ること(これは自分)や寝させる(これはアイデア)こと、「知のエディターシップ」としての編集能力、アナロジー、セレンディピティなどの重要性が語られる。これらは時代を超えて通用する思考の整理法だろう。

また、忘却やすてることの重要性も著者は説く。
 本はたくさん読んで、ものは知っているが、ただ、それだけ、という人間ができるのは、自分の責任において、本当におもしろいものと、一時の興味との区分けをする労を惜しむからである。
 たえず、在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものをすてて行く。やがて、不易の知識のみが残るようになれば、そのときの知識は、それ自体が力になりうるはずである。
耳が痛いくらいの言葉だ。良く言われているものの、買っただけ、読んだだけ、ブックマークしただけで、満足してしまうことがある。これらは、知識として、そして知恵に醸成したものとは大きな違いがある。

あと、とにかく書いてみることやしゃべるなども勧められている。ここで言う「書く」はコンピューターが発達した今でも、紙にペンや鉛筆で書くことだと思う。自分がこんな仕事をしていながら言うのはいけないのかもしれないが、やはり肉筆で書くことにより生まれる何かはある。しゃべる際には、垣根を越えることを著者は勧める。インブリーディング(inbreeding)という言葉は生物学において同族での交配のことだ。種の健全な発展のためにはインブリーディングが好ましくないことはDNAレベルで刷り込まれているが、人間の知識/知恵の獲得のための交流もやはり同族だけではなく垣根を越えたインターディシプリンであることが望まれる。

このようにいくつも得られることがある本書だが、コンピューターやインターネットの利用によってもっと工夫できると思われる手法もある。典型的なのが整理術としての、スクラップやノート(カードノート、メタノート)の活用の部分だ。多くの情報がインターネット上に置かれる今、それらの整理にもコンピューターとインターネットを使うほうが望ましい。先ほどの、書く場合には、肉筆と紙のノートが良いというところをどう結びつけるかが課題だが。また、アイデアや得た知識を発信することや垣根を越えての違う分野からのフィードバックを得ることも今ならばインターネットを使ったほうが広がるだろう。

あと、本書で1つだけ賛成できないのは、「朝食を抜くこと」が勧められているところだ。朝型で作業することを説明しているところで出てきたのだが、朝食を抜かしたら脳が機能しないだろう。

ところで、価値が確定するまでに時間がかかる例として、島田清次郎の「地上」が出てきた。本書の中ではあくまでも例として少し書かれているだけだが、久しぶりにこの名前を聞いた。検索しても、1万件もいかない検索結果しかないようだ。やはり忘れられてしまっているのだろうか。本書とは関係ないが、少し残念だ。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)
外山 滋比古

4480020470

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2008年11月24日月曜日

YouTube LIVE TOKYO feat.iQ

YouTube LIVE TOKYO feat.iQに行ってきた。出ていただいたアーティスト&パフォーマーの方々、ありがとうございましたということで、イベントやアーティストごとの細かい批評は避けて、簡単に感想を書く。

まず、パフォーマンスステージ(サブステージ)で行われていたOKAPIさんのギター演奏。これはすごい。事前にパフォーマンスステージで行われるパフォーマンスや演奏はすべてYouTube上のビデオを見て、予習して行ったのだが、そのときから注目していたのが、OKAPIさんの演奏。間近で見ると、そのすごさにさらに圧倒される。穏やかな風貌とはアンマッチなパーカッシブなギター。自作の曲も良い。演奏された後、ステージを降りて、ほかの方の演奏を聴かれていたのだが、そのときにも正座して座っていたりして、なんかその謙虚な姿勢にも感動した。



下が元の投稿。



同じくパフォーマンスステージのFATBLUEMAN。なんか楽しそうだ。やっぱり楽しまないと。とうことで、楽しめた。



最後はYouTube上で人気のギターリストの演奏が続いた。セーラー服での演奏で有名になったkhaluahさんはginjinekoさんと一緒の登場。1曲目にはkhaluahさんはステージに出てこなかったので、音だけで登場するのかと誤解しそうになったりした (^^;;;。



トリはCANON ROCKの元祖、JerryCらによるCANON ROCK。JerryCはもっと小柄かと思っていたが、意外にもがっちりした体つき。実物を見てみないと分からないねぇ。



あれ。。。パフォーマンスステージの方の紹介ばかりになってしまった (^^;;;

YouTube Live Tokyo 2008

2008年11月22日土曜日

英語オンチが国を亡ぼす

寺澤芳男氏は野村證券からMIGA(多数国間保証機関)から政治家に転身した人だ。野村證券時代にMBA留学しているし、ニューヨークでの勤務も長かったのだから、さぞかし英語が得意かと思ったのだが、そうでも無かったらしい。

話はまず、MIGAの長官になったところから始まる。公用語が英語になったのだが、いろんな人種が話す英語がわからないというエピソードや事前に配布された資料を完璧に読んで、それを基にした濃い議論が行われるのが当たり前という会議に面食らう話。外資系にいる私は思わずウンウンと頷いてしまう。ただ、残念なのは、結局、筆者は努力して、それぞれに対応したのではなく、日本流を貫いてしまった。貫けたのはあなたがトップだったからだろうと言いたい。

こんな調子で「日本流が世界でも通用する」とか「人間の情がやはりモノを言う」とかを最後まで聞かされるのは勘弁して欲しいと思っていたら、すぐに日本人の英語に関する本質論に入る。筆者だけでなく多くの人が指摘していることなので、特にこの本からということはないが、実際に野村證券という日本の一流企業で幹部にまで上り詰めた人が言うことなので説得力がある。英語がしゃべれると逆に出世できないという気が狂っているとしか思えない企業の論理(さすがに今はもうこんな会社は無いと信じたい)や首相の海外遊説に同伴する記者のジャーナリストとしては信じられない行動が紹介される。
 特派員が英語を十分しゃべれないくらいだから、サミットに同行する政治部記者は推して知るべし、である。首相も英語が話せないけれど、同行する記者もしゃべれない。英語のしゃべれない日本の政治家と政治部貴社が一緒にクルーを組んで、ひたすら閉鎖的な情報交換をやっている。
 彼らには、サミットで何が起き、何が変わるのか、本当の取材をする能力があるだろうか。海外にまで行って、首相にベターッとまとわりついて、日本の政局について首相が何を言っただの、首相のマフラーがどうだのと、一挙手一投足を取材して書き散らすほかないのだ。
 信じられないことだが、たった三日のサミット取材でしかないのに、記者たちと首相が首相官邸でビールを飲んで、結団式までやってしまう。そして記者たちは首相と同じ飛行機でサミットに乗り込むのだ。この光景を外国人記者が見たらきわめて奇異なものに映るに違いない。クリントンが日本に来る前に、ニューヨーク・タイムズなどの記者がホワイトハウスで結団式を開き、大統領とビールを飲み交わすなどあり得ないことだ。ジャーナリストとしての彼らのプライドが許さないからだ。
なにやら最近、英語教育論や日本語についての議論がネット上で活発なようだ。すでに多くの人に指摘されているようだが、国語としての日本語を大切にすることと英語でのグローバルなコミュニケーションを実現することは矛盾しない。矛盾しないどころか、おそらく英語を使えば使うほど、日本/日本語の文化の重要性が理解でき、日本語の発展にもつながるだろう。

英語オンチが国を亡ぼす (新潮OH!文庫)
英語オンチが国を亡ぼす (新潮OH!文庫)

帰って来た「サウンドストリート」

サウンドストリートが帰って来た。

サウンドストリートは1978年から開始されたNHK FMの音楽番組。人気アーティストがDJとして参加していたため、当時の音楽少年の必聴番組だった。

そのサウンドストリートがNHKのサイト上で復活した。「NHK青春ラジカセ」というタイトルで、オンエアを録音していたテープをデジタル化したものを配信開始。

残念ながら、著作権の関係で選曲部分は削除されているが、DJのトークはそのままだ。

今のところ、佐野元春と坂本龍一がDJを務めていたころの回が数本用意されている。私としては、渋谷陽一が待ち遠しいところ。というか、この企画は番組のファンが録音していたテープを送ってもらってなりたっているらしい。渋谷陽一の回ならば私のところにも何回分かは録音されているものが残っているから、まだちゃんと聞けるか確認して、送ってあげると良いのだろうか。
『サウンドストリート』放送当時、NHKにはFMの放送テープを保存する制度がなく、残念ながらほとんどのテープが残っていません。そこで今回、多くの方から番組を録音した貴重なテープを提供していただき、この企画が実現しました。ここに改めてお礼申し上げます。

2008年11月21日金曜日

忌野清志郎

ブッカー T ジョーンズ(Booker T. Jones)らには申し訳ないのだけれど、私にとっては彼が今日の主役だった。そう、忌野清志郎。

友人がチケットを取ってくれたブルーノート。出演は、BOOKER T. & THE MG's featuring BOOKER T. JONES, STEVE CROPPER and DONALD ‘DUCK’ DUNN。

Booker T. Jonesは、誰だっけ。誰かと一緒の演奏で聴いたことがある。ギターをやっていたから、Steve Cropperはもちろん知っている。ファンの人、ごめんなさい。でも、その程度だった。

ちょっと遅い夕食を食べながら優雅に時が流れていく。良い感じのR&B。アメリカンな感じ。おいしい食事とお酒と気の置けない友人との会話を楽しみながらのライブ。そのとき急に、「Kiyoshiro」という声。Booker Tだったか、Steve Cropperだったかによる紹介。「えっ。。。」と思っていると、本当に彼がステージにあがってきた。あの清志郎だ。

興奮のあまり、立ち上がって、テーブルのワインをこぼしてしまった。H君、ごめん。

そのまま、清志郎がボーカルで2曲。Soul ManとIn the Midnight Hour(だったよね?)。圧巻。Booker Tらによるバックもすごい。

2曲歌い終わると彼はステージから降りて行った。袖に座っていた観客の何名かは、握手を求めていたが、彼は気持ちよくそれに答えていた。私も握手、いや抱きつきたかったと後悔していたのだが、ライブ終了後にそのチャンスはやってきた。隣にいたH君が「あ、誰か上から降りて来る」と言って、「清志郎じゃないですか?」と彼を見つけてくれた。すぐに通路側の席に変わってもらい、立って、彼に握手を求める。「感動しました」と伝えると、力強く握り締めてくれた。天国に上ってしまいたいほどの幸福。

私の中学時代、RCサクセションが「雨上がりの夜空に」でブレイク。私は「トランジスタラジオ」が好きだった。「スローバラード」の悲しげな歌い方が良いとか、仲井戸麗市のギターとか生向委のバックもすごいだとか、そんな話を延々としちゃうくらい、私の中学時代のあこがれの存在。自分が演奏するジャンルとは異なるのだけど、常に私のアイドルだった。

清志郎、復活おめでとう。元気をありがとう!

<追記>
ソウル・サーチン ブログ /Soul Searchin' Blogから当日のメンバーと演奏曲
■ メンバー

ブッカー・T・ジョーンズ(オルガン)Booker T. Jones(org)
スティーヴ・クロッパー(ギター) Steve Cropper(g)
ドナルド・‘ダック’・ダン(ベース) Donald ‘Duck’ Dunn(b)
スティーヴ・ポッツ(ドラムス) Steve Potts(ds)

■セットリスト ブッカーT&ザ・MGズ @ブルーノート東京
Setlist : Booker T & The MG's @ Blue Note Tokyo, November 20, 2008

show started 21:32
01. Mo Greens
02. Melting Pot
03. Booker Loo
04. Soul Dressing
05. Soul Limbo
06. Summertime
07. Hip Hug-Her
08. Green Onion
09. Hang 'Em High
10. In The Midnight Hour (with Imawano Kiyoshiro on vocal)
11. Soul Man (with Imawano Kiyoshiro on vocal)
12. Time Is Tight
Enc. Double Or Nothing
show ended 22:52

Booker T & The MG's: Kiyoshiro Is Good To Go (ソウル・サーチン ブログ /Soul Searchin' Blog) から引用




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