2012年12月20日木曜日
島地勝彦責任編集 マグナカルタ 創刊
出版人マグナ・カルタ9章
① 読め。
② 耳をたてろ。
③ 両眼をあけたままで眠れ。
④ 右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ。
⑤ トラブルを歡迎しろ。
⑥ 遊べ。
⑦ 飲め。
⑧ 抱け、抱かれろ。
⑨ 森羅萬象に多情多恨たれ。
右の諸則を毎日三度、食前か食後に
暗誦、服用なさるべし。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、これは島地勝彦さんが週刊プレイボーイ編集長になった際に、亡き開高健さんが送った言葉である。
本日、この「マグナカルタ」を題名に持つ雑誌が発売される(形態としては単行本である)。「島地勝彦責任編集」として、すべての記事に「編集長前曰」が入るほどの力の入れようだ。
大変名誉なことに、その創刊号に島地さんとの対談を掲載していただいている。「新時代の旗手」というタイトルだ。
Googleの話から、組織論、リーダー論、そして震災復興の話まで12ページを使って取り上げていただいている。
対談は記事になることなどすっかり忘れるほど楽しいもので、予定されていた時間はあっという間に過ぎ、対談後の食事のときも編集者の方がずっと録音をされていたほどだった。
取り留めもない話も多かったので、あんなので記事になるのかと思っていたが、見事にわかりやすくまとめていらっしゃる。また、写真が素晴らしい。
島地さんは、雑誌は写真が良くないといけないというのを持論にされていらっしゃり、このマグナカルタも表紙に続く数ページは立木義浩さん撮影による女性ヌード。私の対談記事でもプロ写真家による写真が使われている。
創刊号の内容は以下のとおり。
マグナカルタ
人を統べる者が持つべきものとは――
【特集・人間の器】
中西輝政
劣化列島――戦略なき改革の迷走
浜矩子
賢者の知恵、愚者の教訓
御厨貴
ニュース映像でとらえる宰相の器
磯田道史
江戸の古文書を深く読み解く
堤尭
昭和史の真実
町山智浩
日本ではなぜハリウッド映画がウケないのか?
川村二郎
天声人語を添削する
松本基弘
ドラマ『相棒』を作った男
田所昌幸 「大きな物語」を失った日本人の不機嫌
瀬戸内寂聴/小泉武夫/中谷巌/福原義春/南伸坊 他
大人が読むに値する雑誌というのが少なくなってきたが、間違いなく本誌はその少ない雑誌の1つに加わるものだ。
全286ページで税込980円。季刊(クオータリー)。買うべし。