2009年2月27日金曜日

Jeff Beck & Eric Clapton at さいたまスーパーアリーナ

先週の土曜日にJeff Beck & Eric Claptonの共演コンサートに行った。場所はさいたまスーパーアリーナ。



夢の共演とか言われていて、私もそれを楽しみにしていたのだが、正直言うと、それぞれの単独での演奏の後に、スタイルの違う二人がお茶を濁したようにブルースか何かを共演して終わりではないかという危惧もあった。

ある意味、予想は当たっていたのだが、「お茶を濁したように」ではなかった。

一言で言うと、Jeff Beckはすごい。あり得ない。年齢のことを言うのは野暮だとは思うが、60歳を過ぎているとは思えない。運指もスムーズに見える。もしかしたら、指の動きは悪くなっているのかもしれないが、それを補うほど魅力を増した表現力。

以前、誕生日について書いた投稿で、チャーの言葉を次のように紹介した。
敬愛するギターリストのチャー(竹中尚人)がFMの生番組でインタビューを受けていたのを偶然聞いたのだが、その中でインタビュアーに「若いミュージシャンと協演することも多いが、年齢によるハンディを感じることはないか」とい聞かれて、「いや、全然ないね。毎年毎年新しい発見があって、確実にうまくなるのが楽しくてしょうがない」と答えたのを聞いてからだ。
チャーがJeff Beckのことを敬愛しているのは周知の事実だ。この番組でも、この話の前に、イギリスのJeff Beckの自宅で彼とジャムった時のことを話していたので、偉大なる先輩であるJeff Beckのことを考えての発言だったのかもしれない。

いずれにしろ、年ごとにうまくなっていると言われても驚かないほどの演奏だった。一言で言うと、セクシー。ピックを使わずに指で弾いているのは知っていたが、繊細なサウンドは絶妙のフィンガーコントロールとボリュームコントロールによってなされているようだ。

多彩なハーモニクスにも驚かされたし、ボトルネックだけでの演奏も感動ものだった。

ベースのTal Wilkenfeldというのは不勉強ながら初めて聴いたのだが、この人もすごい。初め女性だと気付かなかった。WikipediaのTal Wilkenfeldの項目を見てみると、23歳ですか! 途中のベースソロでは、Jeff Beckが左手(会場から見ると、右手)に回って、低音のリフを弾き続け、彼女が高いフレットのほうでソロを弾くという余興も見せてくれた。

それにしても、Jeff Beckは本当におちゃめだ。衣装からして、60歳過ぎが着るものとは思えない。それって、若い奴が着てても引かれちゃうでしょうって言う感じだが、Jeff Beckならばなんでもありだ。時に派手なアクションもあり、彼から元気をもらった。

Eric Claptonのことを全然触れていないが、こっちは予想通り。がんばって、アンプラグドを抑えめにして、ストラトでのナンバーを後半に用意していたところとか、Jeff Beckと掛け合いソロをしてくれたりはしていたが、こちらは大体予想通り。

言い忘れたが、ライブは前半にJeff Beck、後半にEric Clapton。そしてEric ClaptonのアンコールにJeff Beckが再登場するというような構成。冒頭に述べた「それぞれの単独での演奏の後に、スタイルの違う二人が共演して終わり」というのは構成としては正しかった。

以下、have a nap: Eric Clapton 2009 with Jeff Beck 20090221からのセットリスト。
Jeff Beck Band:
 Jeff Beck - guitar
 Tal Wilkenfeld - bass
 Vinnie Colaiuta - drums
 David Sancious - keyboards

 Set List:

 01. The Pump (Jeff Beck)
 02. You Never Know (Jeff Beck)
 03. Cause We've Ended As Lovers (Jeff Beck)
 04. Stratus (Jeff Beck)
 05. Angel (Jeff Beck)
 06. Led Boots (Jeff Beck)
 07. Goodbye Pork Pie Hat - Brush WIth The Blues (Jeff Beck)
 08. Solo instrumental by Jeff Beck with Tal Wilkenfeld
 09. Blue Wind (Jeff Beck)
 10. A Day In The Life (Jeff Beck)
 11. Where Were You (Jeff Beck)
 12. Big Block (Jeff Beck)
 13. Peter Gunn Theme (Jeff Beck)

 Eric Clapton & His Band:
 Eric Clapton - guitar, vocals
 Doyle Bramhall II - guitar, backing vocals
 Willie Weeks - bass
 Abe Laboriel Jr - drums
 Chris Stainton - keyboards
 Michelle John - backing vocals
 Sharon White - backing vocals

 14. Driftin' (EC - solo acoustic)
 15. Layla - unplugged version (EC)
 16. Motherless Child (EC)
 17. Running On Faith (EC)
 18. Tell The Truth (EC)
 19. Little Queen Of Spades (EC)
 20. Before You Accuse Me (EC)
 21. Cocaine (EC)
 22. Crossroads (EC)
 23. You Need Love (EC and Jeff Beck)
 24. Listen Here - Compared To What (EC and Jeff Beck)
 25. Here But I'm Gone (EC and Jeff Beck)
 26. Outside Woman Blues (EC and Jeff Beck)
 27. Brown Bird (EC and Jeff Beck)
 28. Wee Wee Baby (EC and Jeff Beck)
 29. Want To Take You Higher (EC and Jeff Beck)

have a nap: Eric Clapton 2009 with Jeff Beck 20090221から引用
このブログにも書かれているが、「還暦過ぎの二人が、互いに楽しむように、そして相手を挑発し(笑)、けれど尊重し、ストラトの音を響かせる姿が、とっても印象的でした。観て、聴いて、本当に良かった!」。いや、本当に。