ほんとうは数字で表せないことを、ゴール設定をするときに、自らにも、周りの人間にも、チームにも、(今はいないけど)部下にも、定量的なものを求める。そのほうがゴールを達成したかどうかがはっきりとするから。
なんとか数字で表すようにしていることがあります。
数字って、妙に説得力があるんです。
だから、数字をよくすることが目的になりやすい。
気をつけなきゃなぁと、ぼくみたいなものも思うんです。
いま求めていることは、数字で表せることなのかどうか?
しょちゅう問いかけている必要がありますね。
前の会社ではゴール設定の際に常に"SMART"であれと呼びかけていた。ご存知ない方のために説明すると、SMARTとは次の5つの略語だ(いくつかバリエーションがあるので、それも含めておいた)。
- S : Specific
具体的なこと - M : Measurable
結果が測定可能なこと - A : AtainableまたはAction-oriented、Achievable
達成可能かつすぐに行動に結びつくこと - R : RealisticまたはRelevant
現実的かつ自分の担当と関連性のあること - T : TimelyまたはTime-based
妥当性のある期日があること
しかし、製品などのいわゆる「作品」を作成する場合や人に向き合う仕事をしている場合、必ずしも数字ですべてが表せるわけではない。数字に表せないもしくは数字にしたらごくごく小さいことであっても、譲れないもの、こだわらなければいけないものもある。組織が大きくなると、現場から離れた人間はどうしても数字ですべてを判断し勝ちだ。
「スプレッドシートマネージメント」という言葉がある。数字計算だけが得意な現場を知らない若い兄ちゃん(姉ちゃんでもいい)などがいきなり組織の長に立ち、数字だけで管理しようとすることを揶揄した言葉だ。と思って、検索してみたら、このような意味でこの言葉を使っているのを見つけることができなかった。もしかしたら、私の造語かもしれない。いずれにしろ、きれいに数字を並べて、それで業績を管理するのは実は楽なのだ。また、組織としても、それになれると、数字を揃えることが最終結果になりやすい。
SMARTは今でもゴール設定する際の重要な考え方だと思う。しかし、糸井さんが言うように、物事すべてが数字で表せるわけではない。数字で表せないところにこそ本質があるものも多いはずだ。そのようなものへのこだわりをいつまでも忘れずにいたい。