2012年12月19日水曜日

東電帝国―その失敗の本質

出版社(文藝春秋)より昨年すでに献本いただいたいたにもかかわらず、やっと今になって読んだのが、この本、「東電帝国―その失敗の本質」だ。

読んでみて、あまりにも自分が無知であったことに情けなくなった。

私は資源工学科というちょっと珍しい学科を出た。

私が在学当時でも同じような学科を持つ大学は全国でも10も無かったのではないだろうか。今は学部名も学科名も変わってしまったようだが、当時はエネルギーや材料資源の探査から開発、加工、それに付随する安全工学までを網羅していた学科だった。

このような学科だったので、卒業後の進路としても石油開発会社や資源採掘を行う会社が多く、その中に動力炉核燃料開発事業団(動燃)も含まれていた。現在の日本原子力研究開発機構だ。同じ研究室で1つ上の院生の先輩が動燃に入り、人形峠だったか、東濃だったかの事業所に配属なったのを覚えている。

私の同期にも動燃から内定が出ていたのが1人いたのだが、彼はしばらくして辞退してしまった。直接理由を聞く機会は無かったのだが、噂では当時ベストセラーになっていた広瀬隆氏の「危険な話」を読んで気が変わったと言われていた。

危険な話 チェルノブイリと日本の運命
危険な話 チェルノブイリと日本の運命

私が小学生のころは、中国が核実験を行うたびに、放射能汚染された雲が日本にやってきて、放射能の雨が降るとか言われていたりしたころだった。今日は外に出ちゃだめよと母親に言われたりした。また、今よりも広島や長崎の原爆のことを取り上げた映画やドラマも多かった。

そんな環境の中で育った私だったので、学科にあった原子力研究をやっている研究室にも、あまり近づかないようにしていた。この「危険な話」が出たときは、すぐに読んだ。

広瀬隆氏はこの本より前に「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」という本も出している。

どちらも原発へ警鐘を鳴らすものだ。後者はハリウッドスターが晩年癌で亡くなるのだが、それがネバダ州での核実験の影響を受けたためであることをデータを元に指摘したものである。当時は戦慄を覚えながら読んだのだが、引用されているデータはその解釈も含め、間違いがあるのではないかということが後に指摘されている。

同じ頃、DAYS JAPANという雑誌が講談社から出版された。私が今でも所有して創刊号を見ると、広瀬隆氏と広河隆一氏による「四番目の恐怖」と題する記事が掲載されているのがわかる。これは、ソ連(当時)のチェルノブイリ、米国スリーマイル、英国ウィンズケール、そして日本の青森県六ヶ所村における原子力の危険を訴えるものであった。

このように、1980年代から1990年代にかけて、原発への不安を訴える情報はそこかしこに見られた。

それがいつからだろう。危険なものではあるかもしれないが、日本経済の発展には必要なものだと思わされるようになったのは。人間により制御可能なものであると信じるようになったのは。

そのような巧みな宣伝を行ったのが東電であり9電力会社だ。

この「東電帝国―その失敗の本質」では、日本のエネルギー政策の変遷とどのようにして9電体制が生まれたかを紐解く。また、唯一の被爆国でありながら、原子力発電を実現するに至った経緯を解説する。

自分が無知であったことを恥じると書いたが、私は、あの正力松太郎氏が原子力発電の父と呼ばれるような存在(原子力委員会初代委員長)であることさえ知らなかった。

著者の意図とは異なるかもしれないが、この本から私は日本での安定したエネルギー供給を実現する野望に燃えた人物たちのドラマを感じた。歴史を振り返ると、犯罪に近いと言える行為や、とてもフェアとは言えないような形で権利をもぎ取った人たちが見えてくる。だが、それも私利私欲のためだけでなく、日本の将来のためを考えての行動と思えるものが多くある。

この本で紹介される過去の東電の幹部たちは皆曲者ぞろいだ。だが、自社のためだけでない大志がそこからは垣間見れる。それは自社が日本経済にエネルギーを供給しているのだという誇りかもしれない。

過去の幹部たちのエピソードの紹介のたびに、著者も書いているのが、現在の東電にはその気概さえ見受けられないところだ。過去を礼賛するのではない。クリーンな企業運営でもない。隠蔽体質が無かったわけでもない。だが、いくつかの失敗があっても、当時の幹部やもしくは管理職たちが、プライドを持って事にあたった様子が紹介され、現在の東電にはその片鱗すら見られないと綴られる。

現在も福島原発事故の復旧に懸命にあたっているのも東電社員やそのグループ会社社員、下請け会社社員である。彼らこそはヒーローだ。だが、それを支えなければいけない東電という会社はどうなんだろう。そんなことを強く感じさせる一冊だ。

現在の東電や福島原発事故の原因などを知りたいとすると、本書の内容はちょっとがっかりするかもしれない。東京電力社史ではないかというレビューも見たが、良くも悪くも日本の生き死にさえ左右させかねない大企業の沿革を政治史とあわせて紹介しているこの本は貴重だ。

考えてみると、私は原発を斜め横ぐらいのところに感じながら生きてきているのかもしれない。生まれた年に東海村の原発が日本第一号の原発として運営開始され、中学時代にスリーマイル島事故が起き、大学時代にチェルノブイリ事故が起きた。そして今、福島原発事故だ。来年は年男、そんなときに原発の再稼働を進める自民党が与党に復帰。

直接に関わることはないと思うが、もはや他人ごとではなくなった。もう見ないふりは止めよう。

東電帝国―その失敗の本質 (文春新書)
志村 嘉一郎

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2012年12月18日火曜日

サムスンの決定はなぜ世界一速いのか

今から7〜8年前だったと思う。当時のソニー会長の出井伸之氏が報道ステーションでのインタビューで「サムスンから学ぶことは何もなかった」と語っていた。WEGAという平面ブラウン管技術を持つがあまり、薄型液晶への投資が遅れ、サムスンと提携したことを振り返っての発言だったと思う。

技術面では確かにその通りだったのかもしれない。しかし、きっとソニーはほかに学ぶことがあったのだと思う。その後のサムスンの躍進のヒントがそこにあったはずだ。

「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」はサムスンに電子常務として10年勤務した経験を持つ著者が書いた世界首位を走り続けるサムスンの秘密だ。

サムスンや韓国企業は日本ではまだあまり評価されていないように感じるし、下手をすると、褒めた人間が売国奴扱いされかねない。だが、ここまで成長していることは紛れもない事実であり、そこから生ぶことは多いはずだ。本書が真実を語っているかどうかはわからないし、書かれていない恥部もあるのかもしれない。だが、参考できるところはしたら良い。

と少し冷静に書いてみたものの、実は本書で書かれていることは私が常日頃考え、そして発信している内容と重なるところが多い。

本書のタイトルになっているように、著者はサムスンの成長の秘密はその意思決定の速さにあると言う。

日本では「石橋を叩いて渡る」慎重さが尊ばれる風潮がありますが、いまはそれが許される時代ではありません。韓国の人たちは、腐っている橋でも渡り、渡り終えたあとにはその橋を壊してしまうような感覚を持っています。

また、韓国の格言には「始めたら半分終わったも同じ」というものがあります。
日本では「百里の道を行くのも九十九里をもって半分とせよ」という格言があるのですから、発想は正反対です。
どちらの言葉にも深い意味はありますが、“とにかく始めることが大切”という韓国人の発想のほうが、現在のトーナメント戦に向いているのは間違いありません。

“とにかく始めることが大切”というのは、Facebookのマーク・ザッカーバーグが言う「完璧を目指すよりも、まず終わらせろ」とも通ずるところがある。完璧なことよりも、迅速に動くこと。アジリティ(Agility)、リーン(Lean)などの今のキーワードも思い浮かぶ。

日本の事例主義との違いについても本書は次のように紹介する。

どこのライバル店もまだこの商品を扱ってはいない。あるいは他の国では売れているけれどもこの国ではまだどこも扱っていない。
そういうときにこそ、その商品でビジネスを展開する決断をします。

誰もやっていないからこそ、自分がやる―。

実際はチャンスといえることではなくても、すぐにチャンスだと思い込んでしまうほど、未開拓分野の発見を重視しています。そして、そこに進出したことで失敗しても、どうしてダメだったのかという反省をすることも基本的にはありません。そうやって過去を振り返るのではなく、“前向きに次を考える”という発想が強いからです。

ある日本企業の方とお話させていただいたときに、やたらと先行事例に拘ることに違和感を覚えたことがある。最初は他社がまだやっていないのだったら、日経一面を飾れるかもぐらいの前向きな話かと思ったら、社内を説得するのに、他社の事例があると助かるという。あまりの意識の差に脱力したのを覚えている。日本企業同士、仲良く横を見て進んでいたら、世界では多くの企業が全く異なるスピード感で動いていた。そんな感じなところもあるのではないだろうか。

ほかにもいくつも刺激的な言葉が続く。
今日と明日とでは何もかも違うという考え方をするのが韓国人ですが、日本人の発想はそれとは逆です。
明日も明後日も、今日と変わらないでほしい。

「静かに暮らしたい」という名言を残されたのは、私の一番最初の会社の尊敬する先輩だ。そのときは、彼は特定の管理職を指して、そのように言ったのだが、今やこれが社会に蔓延してしまっているのか。

仕事の進め方についても、私の考えと共通する部分が多い。私は何かを伝えようとしたときに、伝えたかではなく、伝わったかで考えるようにする。同じと思われるかもしれないが、相手にそれが伝わらなければ、伝えたという行為は自己満足でしかありえない。本書では、IT活用としての「見える化」と「見せる化」という言葉でそれを説明している。

「見える化」というのは、必要な情報をいつでも見えるようにしておくことです。一方の「見せる化」は、その情報が、相手にとって有益なものになるように加工することです。
たとえば、「見える化」では、株価に関するデータを提示できる限り羅列しておくようなことがあります。いつでもそのデータを見られるのは便利ですが、そのデータから有意義な情報を受け取れるかはその人次第です。そこで、その株価のデータを折れ線グラフにしたうえ、複数のデータの関連性をわかりやすく視覚化します。それが「見せる化」です。

この例くらいのことはやっていると思うかもしれないが、意外とやれていないものだ。データをどのように活用するかによって、決定は大きく異る。裸のデータを用意することは大事だが、あることを進めたいと思うならば、そのドライブする側の人間が加工し、その判断材料となる状態にまでしておくことが意思決定を速めることとなる。

日本企業が陥りがちな「過剰品質」についても本書では言及している。

実は、私は日本品質について話すことにはちょっとトラウマがある。以前、MITメディアラボ副所長の石井裕教授と対談(石井裕×及川卓也が語る「イノベーションの流儀」とは/リクナビNEXT[転職サイト])をさせていただいたときに、「一秒で直せるものならば、ユーザーから言われて直すので十分だ」と言ったのが近しい人も含めて不快な気分にさせてしまった。これはさすがに言い過ぎだったと今は反省しているが、前から「品質とはユーザーの期待値よりもちょっと上を目指すことだ」と思っている。必要以上の部分にまで拘ることは、職人芸としては尊敬されるが、製品の競争力につながらないことも多い。本書の中でも次のように書かれている。

メーカー側がこだわる品質が消費者の要求を超えていて、それによって価格が高くなるようであれば、それは「過剰品質」ということにもなってきます。
消費者が決めるこの消費品質は、〇か一のどちらかです。
つまり、お客さんが実際に使ってみて、アフターサービスの面も含めて、“また買いたい”と感じたなら一になり、なんらかの不平不満を持って“もう買わない”となった場合は〇になります。ここで〇になれば、設計技術や製造品質でどれだけ高いポイントを稼いでいても、その消費者にとってはその製品に対する評価は〇になるのです。
サムスンでは、“品質は顧客が決めるものであり、メーカーが勝手に決めるものではない”“顧客は購入価格によって品質を追求するものだ”という考えが徹底されています。

日本品質こそが国際標準になるべきところも多く、他国の品質基準まで下げる必要はないが、品質の定義、ここで言う、顧客から見た場合の価値という基準は忘れないようにしないといけないだろう。

サムスンが嫌い、韓国企業が嫌いという人も多いだろう。繰り返しになるが、それでも彼らが成功しているという事実を真摯に受け止め、学べるところは学ぶと良い。本書でも、もともとサムスンは松下幸之助氏の教えから学んだのではないかとの推測が書かれている。日本が失ってしまった精神を再度海外企業から学ぶというのもあるのかもしれない。

本書では、ほかにもデザインへの考え方、多品種少量生産を実現する仕組み、世界各地で成功するための現地法人のあり方、トップダウンとボトムアップからなる組織運営などなど、考えさせられるネタが満載だ。批判精神を持って読み、自分の会社ならばこうすると考えるもよし、そのまま参考にするのも良し。もし読む機会があったならば、是非じっくりと考える材料としてほしい。

最後に、これまた気に入ってしまった名言を引用して終わる。

「卵の殻を自ら割れば、生命を持った鳥になるが、他人が割れば目玉焼きにしかならない」

サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21)
吉川 良三

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追伸:「東日本大震災、その時企業は」でも書いたように、あの非常時下、日本企業はスピード感をもって意思決定を進めることができていた。今も非常事態は続いている。原発事故や次の震災ということだけではなく、グローバルな経済の中での生き残りという意味においても。是非、あの時の気持を思い出し、企業改革を進めてほしいと思う。

2012年12月15日土曜日

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?


LINEというアプリケーションがある。もはや説明するまでも無いだろうが、スマートフォンをメインとするチャットサービスだ。

このLINE、インプレスR&Dによる「LINE利用動向調査報告書2013」(参考: インプレスR&Dのニュースリリース)によると、女性10代で73.0%、女性20代で64.8%という驚異的な普及率を誇っている。国内で3500万人のユーザーだが、世界でも7500万人ユーザーというのだから、久々の日本発で世界展開を実現したサービスだ。

私自身は今年初めからアカウントは登録している。アカウント登録当初は面白がって、スタンプ(キモカワイイ? キャラクターの絵文字みたいなもの)を送ったりしていたのだが、携帯を増やしたときに、アカウントを共有できなかったりして、すっかり萎えてしまって、今は特定の人との通信にしか使っていない。

しかし、そのユーザー数が示すように、今や押しも押されぬ大規模ソーシャルサービスに成長している。

このLINEというサービス、ネットを以前から使っていた人にはどこに独自性があるかわからなかったり、必要性を感じなかったりして、どうにも正体が掴めないのだが、「LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? 」を読んでみて、少しわかってきた。

もう少しデータを見てみよう。LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? に書かれている開発・運営元のNHN Japan調査データによると、男女比は男:女=51:49で、職業は会社員が38.5%であり、学生が30.3%だ。年齢別の構成を見ると、実際のユーザー像がもっとクリアになる。

12才~19才 16.5%
20才~24才 22.6%
25才~29才 21.9%
30才未満 過半数

要は、私のような中高年ではなく、圧倒的に若者に支持されているサービスなのだ。この種のサービスはインストールした後しばらく触って、その後すっかり使わなくなるということも多いのだが、LINEのアクティブユーザー率も高い。月間アクティブユーザーが86.1%というから驚きだ。週間のアクティブ率も今年5月のジャストシステムの調査では74%となっている。

LINEを一言で言うならば、キモカワイイキャラクターデザインのスタンプという機能が売りのテキストチャットかつ無料通話やソーシャル的な使い方も可能なスマホアプリということになるのだろう。実際にはブラウザやPCからも使えるのであるが、うまく携帯のスマホシフトに乗った形だ。

たかがチャットじゃないか。TwitterのDMやFacebookやGoogle+のメッセージ機能で充分。そう感じてしまうのだが、本書を読むと、ちょうどそれぞれのソーシャルサービスで対応できないようなユーザー層やコミュニケーションに刺さっているようだ。

LINEはアドレス帳によるユーザーマッチングが特徴だ。携帯のアドレス帳に登録しているような間柄だから、LINEで友達になっても良いでしょうというコンセプトを基礎とする。一方、友達の友達が友達であるという、ほかの多くのソーシャルサービスが持つ友達を永遠に広げさせていくような考えには後ろ向きだ。この絶妙の友達空間(ソーシャルグラフ)がほかサービスとの差別化要因となり、日本を中心として若者に支持されているのだろう。

私は電話が昔から嫌いで、今でも電話の前にメールかチャットで電話して良いかと確認して欲しいと思うくらいなので、アドレス帳はほとんど殻だ。待ち合わせ際の連絡もメールかチャット(メッセンジャー)で行う。電話での連絡をする可能性がある場合には、事前に番号を交換するが、それをアドレス帳に入れることはほとんど無い。Androidになってから、いろいろなサービスのコンタクトリストがアドレス帳と同期されたりした結果、エントリーはあることにはあるのだが、リアルの自分の人間関係を反映したものでは全くない。

このようなこともあり、LINEのアドレス帳によるマッチングはどうにも好きになれないのだが、多くの人には評判が良いようだ。

LINEの機能だけ見れば、Twitter、Facebook、Google+などのソーシャルサービスやSkypeやほかチャットをベースとするコミュニケーションツールと大きく変わらない。むしろ足りない面もあるくらいかもしれない。だが、この絶妙のソーシャルグラフの構成、スマホに最適化されたデザインと機能、そしてキモカワイイキャラクター。これらの組み合わせがLINEの特徴だ。LINEホームやタイムラインというFacebookのウォールやニュースフィード、Twitterのタイムラインのようなソーシャルを全面に出す機能がどこまで普及するかはこれからだが、LINEの本質が維持され続ける限りはLINEの人気は変わらないのだろう。もっとも、DeNAのcommのように類似サービスが後発でも出てくるし、以前から人気のあったカカオトークはYahoo! JAPANとの連携を発表するし、勢力図がどう変わるかはわからないが。

なお、個人的には、本書にも少し書かれていたように、マイクロソフトのチャットサービスであるメッセンジャー(MSNメッセンジャーやWindowsメッセンジャー)が本来ならば、LINEのポジションをとれたかもしれないと考えることもできる。米国発の製品にしては、面白い絵文字を登場させたり、画面全体を揺らすシェイクという遊び心満載の機能が入っていた。それでも、LINEほどの成功に結びつかなかったのは、LINEには、やはり、スマホシフトなどと絶妙にあったタイミングと勝機を機敏に捉える戦略があったためだろうか。

本書は「LINE? 聞いたことあるけど、良くわかんない」という人向け。良く使っている人でも新たな発見があるだろう。

なお、本書は著者・出版社の方から献本いただきました。ありがとうございました。

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? (マイナビ新書)
コグレ マサト まつもと あつし

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2012年12月14日金曜日

東日本大震災、その時企業は

昨年3月に起きた東日本大震災。

震災と津波、その後に襲ってきた原発事故。

被災地の倒壊した工場、海外からの風評被害にあえぐ日本製品などを見て、日本はどうなってしまうのだろうと不安を抱いた。サプライチェーンの崩壊は多くの企業に影響を与え、消費者心理の冷え込みにより内需も縮小した。

だが、そこで見たのは、お互いを支えあう日本人の優しさや強さであり、混乱の中で安全を確保し、すぐさまに復旧・復興に向けて動く企業だった。不安は強かったが、日本全体が優しさに包まれているように感じ、確かな復興の手応えを感じた。わずか数週間で復旧した東北自動車道を始めとした、日本社会の底力が世界からも称賛された。

「東日本大震災、その時企業は」は日本経済新聞および日経産業新聞に連載されたルポとインタビューを再構成したものだ。昨年7月の発売だ。

震災直後から5月ごろまでの記事で構成されている本書を今読むと、当時の状況が思い起こされる。自身が当時どこで何をしていたかと重ね合わさる。

同時に、今も当時の気持ちを持ち続けているかを問いたくなる。自分に対してもそうであるが、本書で取り上げられている企業人の方々にも。今もあの時と同じですかと。

本書では、数多くのヒロイックな活躍が紹介されている。実際には、こんなにドラマチックな展開ばかりではなかっただろうが、日頃の官僚的な組織とはまったく異なる、権限移譲された一人ひとりが素早く行う意思決定や組織の枠を超えての協力など、日本企業が弱いと指摘されている部分を克服した活躍が書かれている。

岩手県宮古市の宅配便営業所では、「配達員たちは誰に頼まれるでもなく、本社の了解を得るのも待たずに救援物資を避難所に運ぶのを手伝い始めた」し、自動車メーカーは生産再開をやみくもに急ぐのではなく、相互に連絡をとりあって、部品メーカーの復旧を支援した。全日空は2002年に撤退していた山形空港への臨時乗り入れを、約2週間という短期間で実現した。いわき市に本社を持つ、カーナビのアルパインは工場の1階にすべての設備を下ろすことで、余震が続くなかでも操業を再開した。

共通するのは、現場の裁量で、短期間に決断し、実行すること。

企業トップが震災直後に社員に呼びかけたメッセージも記載されているが、どれも胸打つものだ。日立製作所社長の中川氏は「家族、街、そして社会を守りぬくのだという強い決意を持つことが求められています」と呼びかけ、日産自動車社長のゴーン氏は自社工場(いわき工場)の早期復旧の見込みに対して、「これはひとえに“現場力”によるものだ。このような危機では新聞に名も載らないような多くの無名のヒーローが登場する。彼らを称賛し、勇気づけるのが私たち経営者の責任だ」と話す。阪神大震災の際に全国から支援を受けた関西を中心とする企業は「今度は自分たちの番だ」と語る。

あれから1年と9月。今も同じ思いでいるだろうか。選挙戦も終盤だ。原発に対しての将来構想が争点にはなるものの、それ以外の震災復興についての話題はあまり聞かない。

日本経済の先行きも不透明だ。大手家電メーカーの中には目を覆いたくなるような業績のところも多い。

今こそ、当時の思いを思い出すと良いのではないだろうか。

東日本大震災、その時企業は (日経プレミアシリーズ)東日本大震災、その時企業は (日経プレミアシリーズ)
日本経済新聞社

東日本大震災 復興への提言―持続可能な経済社会の構築 大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた―これからのほんとうのリスクヘッジ (B&Tブックス) 図解 統合リスクマネジメントの実践 6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130) 世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

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2012年12月7日金曜日

はじめての選挙

第46回衆議院議員総選挙が12月16日に行われる。ここでは、選挙なんて、は・じ・め・て という人のために、これだけ知っていれば投票できるという必要最低限の情報をまとめてみた。

基礎知識

日本には衆議院と参議院の2つの議会があるが、今回はそのうちの衆議院の選挙。定数は480人。この480人の議員を小選挙区選挙で300人、そして比例代表制選挙で180人選ぶ。

小選挙区選挙は全国に300ある選挙区それぞれから最多得票者が1名選ばれるものである。つまり、投票は候補者個人に対して行われる。選挙区は選挙民(=投票する人)の居住地(=住民登録をしている自治体)により決まる。自分の選挙区がわからない場合は、新聞や新聞社のサイトなどで確認するか、Googleの選ぼう2012(まだサイト準備中)やYahoo! JAPANの衆議院選挙2012候補者情報などのポータルなどで確認できる。

比例代表制選挙区は全国を11のブロックに分割し、それぞれのブロックごとに定数が決められている。11のブロックと定数は衆議院比例代表制選挙区一覧(Wikipedia)でわかる。比例代表制選挙区で立候補する候補者は政党ごとの候補者名簿に記載される。投票は政党に対して行われる。政党の投票率に応じて議席配分を行い、当選者が決まる。つまり、投票の多い政党順かつ候補者名簿の上位に記載されている候補者から議席が配分されていく(=当選していく)。

ただし、小選挙区と比例代表制選挙区の両方に重複立候補することも可能である。この場合は候補者名簿の同一順位に候補者が複数記載されることになる。小選挙区で当選した場合は比例代表制の候補者名簿から外され、小選挙区で落選した場合はその際の惜敗率(小選挙区での得票率)に応じて議席が配分されていく。ただし、小選挙区で有効投票総数の10分の1の得票を得られなかった場合には、比例代表制において当選することは許されない。

投票方法

投票所入場券や案内などがすでに自宅に配送されているはずである。そこに記載されている投票所にて、12月16日(日)の午前7時から午後8時の間に行う。投票所入場券を持参することが望ましいが、忘れてもどうにかなる(らしい)。

投票所では選挙制度ごとに投票を行う。

小選挙区選挙では、候補者の名前を記載する。投票記載台に候補者名一覧が書かれているので正確にフルネームを覚えていかなくても良い。自分の投票する候補者の名前を投票用紙に記載し、投票箱に入れる。

比例代表制選挙では、政党の名前を記載する。こちらも投票記載台に政党名一覧が書かれているので、正確に覚えていなくても良い。自分の投票する政党の名前を投票用紙に記載し、投票箱に入れる。小選挙区選挙で投票した候補者の政党とは別の政党へ投票しても問題ない。

これで衆議院議員選挙は完了であるが、衆議院議員選挙の際には同時に「最高裁判所裁判官国民審査」も行う。これは最高裁判所裁判官を罷免するかどうかを国民が審査するものである。裁判官の氏名が書かれた用紙を渡されるので、罷免したい裁判官がいれば、バツを記し、特にいない場合はそのまま投票箱に入れる。ちなみに、現在までに国民審査によって罷免された裁判官はいない(Wikipediaより)。

今回審査対象となる裁判官は以下にリストされている。

2012年最高裁判所裁判官国民審査(Wikipedia)

* なお、東京都在住の人はこれに加えて、東京都知事選挙も同日に行われる。

投票方法(番外編)

12月16日(日)に出張や旅行などで居住地の投票所に行けない場合は、期日前投票という制度を使って、前日までに投票を行うことができる。

選挙期間中に居住地にいない場合は、不在者投票制度で投票を行うことができる。

また、在外投票というのは国外に滞在している日本人に対しての制度だ。

【衆院選】今さら聞けない4つの投票方法の違いとやり方 - NAVERまとめ

参考情報

以上で投票に必要な情報はすべて紹介したが、候補者や政党を知るための情報源をいくつかあげておく。

新聞社・テレビ局
ネットサービス
官公庁
ー*ー*ー*ー

足りない情報があったら追加する予定なので、コメント欄などで知らせていただけると望外の喜びである。


45分でわかる!14歳からの日本の選挙。 1票が国を動かす選挙の仕組みと政権交代。 (MAGAZINE HOUSE 45 MINUTES SERIES)
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2012年12月5日水曜日

寺島実郎氏の原子力政策提言

寺島実郎という人がいる。テレビのコメンテーターなどでも有名なので、名前だけではピンと来なくても顔を見るとわかるだろう。肩書きは一般財団法人日本総合研究所理事長で三井物産戦略研究所会長、そして多摩大学学長。そして、原子力維持・推進派としても有名だ。

時代との対話 寺島実郎対談集


寺島氏はさまざまな場で原子力政策についての提言を行なっているのだが、10/3に行われた第3期寺島文庫リレー塾2012の講演内容が「ON THE WAY JOURNAL WEEKEND寺島実郎の世界」で聞くことができたので、要旨を書き起こしてみた。

ー*ー*ー*ー

米国では、スリーマイル島事故以来、33年間認可してこなかった原発の新設を、2月10日にジョージアで2基、3月30日にサウスカロライナで2基、今年になって認めた(34年ぶり)。

また、世界の原子力産業を見ると、2006年にウェスティングハウスを東芝が買収し、2007年に日立とGEががジョイントベンチャーを設立し、(2008年には)三菱重工が仏アレバとジョイントベンチャーを設立したことからもわかるように、中核主体は日本産業となっている。世界の格納容器の8割も日本製鋼所室蘭製作所で作られている。実際に、現在ウェスティングハウスが中国で4基の原子炉の建設にあたっているし、台湾の7号機はGEが下請けだが、実態は日立が動いている。

つまり、日本の置かれている状況は、日米原子力共同体という構造の中で考えなければいけない。脱原発は米国との利害調整抜きでは進められない。

日本を取り囲むアジアの状況を見ても、中国が2030年までに80基8000万KW、韓国も38基、台湾であっても湾12基の原発が稼働することになり、合計100基以上の原発が日本を取り囲むことになる。いずれかで事故でも起きれば日本にも影響がある。このような中、貢献しようにも発言しようにも、原子力の技術基盤を持っていないと、一切の存在感を失うことを覚悟しなければいけない。

原発を停止した影響を示す例として、LNGの輸入額がある。LNGの輸入がトータル7兆円になるが、そのうち3兆円が原発を止めているために代替分で増やした分になる。食材や食品などのありとあらゆる食料品目の輸入額が6兆円なので、それを上回る額がLNGに費やされたことになる。

さらには、シェールガスの発掘により、米国は2030年代にはエネルギーの自給自足が可能になるといわれており、エネルギーの地政学がここに来て大きく変わりつつある。

ー*ー*ー*ー

寺島氏の話はこのあと、領土問題などにも展開するのであるが、原子力政策について言及した部分の要旨は以上のようになる。

先に述べたように、寺島氏は原発維持・推進派で代表的な人物なので、このような発言は驚くようなものではない。ただ、原発に賛成するにしても、反対するにしても、寺島氏が突きつける問題は考えるには値すると思う。

不勉強ながら、事実関係を把握していなかったので、いくつかネット上で検索してみた。

まず、米国の原発の新設について。

「福島の教訓」に学ぶ原発、天然ガス利用促す声も 米国(CNN.co.jp)

おそらく、これがもっとも新しい記事だと思う。
米国は今年に入り、ボーグル原発の2基を含め、13基の原子炉新設を承認した。米国で原子炉の新設が承認されたのは、スリーマイル島の原発事故が起きる前年の78年以来。建設は1990年以来となる。
いくつかの新設について、電力会社が米原子力規制委員会(NRC)が認可申請の撤回を行ったという記事(米電力大手、原発新設計画を撤回 ガス価格下落で 日本経済新聞)もあったのだが、それは一部の個別案件のことだった模様だ。

さらに、次のような記述があるが、
原子炉の安全対策以前に、天然ガスというもっと安価なエネルギー源があるのに、なぜ原子炉を新設するのかという疑問もある。 
これはシェールガスのことを指しているのだろう。

また、中国の原発の新設計画については、「中国 原発大国への道」に記されているらしい。

韓国の原発計画については、比較的最新の記事として次のものを見つけた。

「韓国、原発の割合高めるしかない」=IEA (中央日報)
国際エネルギー機関(IEA)は23日に公開したエネルギー政策に関する報告書で、「エネルギー需要と保有資源不足を踏まえれば、韓国が原子力発電所の割合を高めるのは必然的な政策」と指摘した。
一方、次の記述も。
IEAは韓国で使用済み核燃料を処理する敷地を探すのが難しいことを認めた。ただ、「原子力と原発新設は多くの国民の理解を得ている」と述べ、脱原発の声が高まる韓国社会の雰囲気とは全く異なる評価をした。 
寺島氏の発言とは別に、卒原発であっても、脱原発であっても、実際の廃炉までにはかなりの期間が必要となり、それを支える優秀な技術者が多く必要であることを考えると、原子力工学を目指す若者が減少することが懸念される。

今年の4月のデータであるが、すでに入学者が16%減少していたらしい。来春はどうなるのであろう。
原子力を研究する大学の学科や大学院の専攻に今春入学した人は、東京大など7大学の合計で昨年より16%減少、最大71%減った大学もあった

【「原子力」入学者16%減】今春、原発事故が影響/「原子力ルネサンス」一変 (47News)

衆院選が告示されたこともあり、また実際に考えるべきことが多くあって私もまだ理解できていないので、ここでは寺島氏の発言の要旨と、そのほか関係するデータを記すに留めておく。誤解されることは無いと思うが、このブログポストは寺島氏の考えに賛同を示すものではない。

2012年12月4日火曜日

原発難民 放射能雲の下で何が起きたのか

「及川さん、福島ではもう誰もマスクはしていません」

昨年の5月ごろだったと思うのだが、彼はそう言った。

福島市内に居を構える彼は福島では日常が戻りつつあることを私に訴えた。放射線量の話題で首都圏でももちきりだったころだ。福島のホテルで見た地元のテレビは、まるでデータ放送を表示しているときのように、番組の内容とは無関係に、各地の放射線量を上部で横スクロールさせ表示させていた。

その彼の横にいた、ほか都市から赴任してきていたもう一人の福島市民は複雑そうな顔をしている。後で知ったのだが、彼は実家から福島を離れ帰ってくるように言われていた。


現時点でも放射線量が人体に与える影響についての結論は出ていない。おそらく、数年後もしくは数十年後にならないとわからないだろう。しかし、放射線が降り注いだことは事実であり、その事実に向き合って、どう判断するかを迫られたのが福島県民だ。

ある人は人体への影響は無いという言葉を信じ、地元に残り、ある人は原発構内での作業経験から政府が安心という放射線量であっても、とても住める状態ではないと判断し、地元から離れ続ける。どちらが正解ということはない。しかし、もともと同じ土地で住んでいた人たちが、生活を支えあっていたコミュニティが、この判断の違いにより分断され、もう元に戻れなくなっている。なんの罪もないにもかかわらず、いがみ合うことになってしまったり、新しい土地で不条理な差別にさらされたりしている。

「原発難民 放射能雲の下で何が起きたのか」は大手マスメディアが入り込めなかった原発20km圏内にも取材し、あのとき何が起きたかを解明したレポートだ。

同心円状の避難勧告が如何に無意味かは今ではほとんどの人が納得するだろうが、しかしそれでも、現時点の政府の判断もその同心円状のものに後付の形で飛び地のような避難勧告を出しているに過ぎない。その結果、わずかな距離の差で避難したくても、自主避難にせざるを得なかったりし、それが家族や友人関係を分断する。

何故、多くの人が被曝するような事態になったのか。本書に書かれている現実は目を覆いたくなるようなものばかりである。避難訓練が子供だましのようだったものであることもわかる。それもこれも、安全神話が前提となった被害しか想定してこなかったからだ。

本書の中で、ショッキングな事実も明らかにされる。
「同心円での避難規則は、『放射線源が一点』を前提にしています。放射線源が一点なら、距離が遠くなるほど放射線は弱くなる。光と同じ影響特性ですから。そして、線源は移動しない、という前提です」 
「現在の立地審査指針は、格納容器が壊れないことを前提にしています。格納容器は壊れないことにして安全評価を行なっている。」 
「政府は、原発の立地審査指針を定めています。これは、電力会社が原発をつくろうとしたとき、この基準を満たさなければ政府は許可しないという基準です。ここに、『非居住区域』『低人口地帯』を考慮して立地するように、と書いてある。しかし、格納容器が壊れないことを前提とすれば、重大事故(技術的見地から見て、最悪、起こるかもしれない事故)や仮想事故(技術的見地からは起こるとは考えられない事故)を仮定しても、放射能の影響は一キロ(=原発の敷地内)に収まるので、非居住区域と低人口地帯を具体的に考えなくてすみます」
つまり、スリーマイル島事故などから得られたデータなどを元にして、格納容器が破損した場合の住民への影響を考えると、本来ならば、「非居住区域」と「低人口地帯」は10キロを考えなければいけなかったのだが、そうすると、国土の狭い日本では原発を作れなくなる。そこで、
立地基準を満たすために、『格納容器は壊れないことにする』という前提
にしてしまったのだ。

これを明かしているのは、「原子力防災―原子力リスクすべてと正しく向き合うために」を記した松野元氏だ。松野氏は原子力安全基盤機構にいらした方で原子力のプロだ。本書の第4章「被爆者も避難者も出さない方法は、確実にあった」は松野氏へのインタビューを中心に構成されているが、この章で知らされる事実は、被曝が人災だったということだ。

SPEEDIのデータは活用できたはずであるし、SPEEDIが使えなかったとしても、それに変わるバックアップであるPBSという仕組みが使えたはずである。松野氏はたとえそれらのシステムが動作しなくなっていたとしても、どのように避難勧告を出すべきかは数秒で結論を出せるものだと言う。つまり、人を救うことよりも、原発が廃炉になることを恐れたがあまりに起きた人災なのだと。

「内部被曝の真実」を書いた児玉龍彦氏が言う「プロスペクティブな予測」というものと重なることがあるように思う。非常時には高い精度での予測よりも、少ないデータを元に大胆な推測をし、最悪の事態を避けるべく対策をとるべきだ。そのような対策がまったく見られなかった今回の災害はだからこそ「人災」なのだ。

冒頭に紹介した、ほか都市から赴任してきた彼は、その後、福島を離れた。原発事故さえなければ、離れる必要もなかったにもかかわらず。

原発難民 放射能雲の下で何が起きたのか (PHP新書)
烏賀陽 弘道

4569804179

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