2022年4月18日月曜日

母のメモ

母の施設で遺品を整理していたら、古い日記などに紛れて、手書きのメモが見つかった。母はメモ魔だったため、色んなことをメモに残していた。普通の人だったら用が終わったら捨てているようなメモも残されていた。これはこれで母の普段の生活が垣間見れて、亡くなった今となっては感慨深かったり、改めて悲しくなったりする。

そんな中、いつ書いたのかわからないが、自分の葬式に関するメモが見つかった。


葬儀に関する件
    できるだけ簡素に

◎無宗教 花いっぱい
    祭壇花のみ    音楽を静かにながす

認知症が進んだ状況で書ける文章ではないので、少なくとも6年以上前だろう。いつ書いたのか。施設でエンディングノートを書くように勧められたりしたのだろうか。

これを見つけて、内容を把握した瞬間は「こんなの見つかるところに置いておいてくれるか、事前に話してくれないとわからないよね」と姉と笑っていたのだが、「でも、良かった。おふくろの希望通りの葬式にできたよね」と言い始めた瞬間に自分でも驚くくらいに感情が溢れ出てきて、号泣してしまった。

父は仏教で葬式をあげた。しかし、母は若い頃にキリスト教の教会に行っていて、父ともその集まりで知り合った。10年くらい前も銀座教会に行ったりしていた。

もしかしたら、父と同じ仏教が良いのではないか。いや、父と知り合うきっかけでもあり、最近(10年以上前だが)にはまたクリスマスに教会に行くようになっていたことを考えると、キリスト教が良いのではないか。こんなことも考え、母の葬式を無宗教であげることに迷いはあった。

母も無宗教を希望していた。それを知った時に、安堵のあまり感情が溢れた。

バイオリンとキーボードの二重奏で静かに音楽も流した。

良かった、本当に。