2021年3月13日土曜日

雨とたぶん、仲良し


雨が嫌いだ。傘を差すのが昔から下手のようで、ちょっとした雨でも服がびしょびしょになる。最近は年齢の所為か、低気圧が近づいていると体調も安定しない。

雨が好きだ。「雨音はショパンの調べ」のように雨の音を聴いていると安心する。そういえば、小林麻美さんは今はどうしているのだろうと思って調べたら、田辺エージェンシーの社長夫人だった。知らなかった。


若い頃、好きだった小説家の1人に五木寛之氏がいる。「さらばモスクワ愚連隊」や「青年は荒野をめざす」でジャズを知り、「青春の門」や「四季・奈津子」は読んではないが映画で内容は追っていた。

その五木寛之氏が書いた小説に「雨の日は車を磨いて」というものがある。タイトルのとおり、雨の日にあえて車を磨いて、ボディを流れる雨雫を見るという話なのだが、それにも共感する自分がいる。もっとも、本当にそんなことをやるほど余裕がある生活は送れていないが。

というように、雨に対してはアンビバレントな感情を抱いているのだが、そんなところに「雨と君と」が発売された。



連載は読んでいないのだが、作者がTwitterで共有していることから知った。最初見たときから心を奪われた。主人公(どっちが主人公だかわからないが)の女性も犬も肩から力が抜けていて素敵なのだ。

自分は普段からゆとりのない生活を送ってしまっている。止まると死ぬかのように、いつもなにかしている。マグロのようにいつも同じところを回っているのだが、それでもあくせく仕事してしまっている。

「ぼーっとすることってないんだよね」と言ったら、哀れみの目で見られたことがあるのだが、ぼーっとするのが恐怖だ。

だが、新型コロナウィルスによる自粛生活も続き、さすがに疲れも出始め、20数年ぶりにゲームやマンガに手を出した。とはいえ、「そろそろゲームしなきゃ」というセリフが出てくるくらいに、まだ意識してオフに入ろうとしなければならない。

そんな私に「雨と君と」。こればかりは努力せずともオフに入れる。良いものを知った。残念なのがもう読み終わってしまったこと。早く続きが読みたい。