TwitterとかFacebook、Google+を見ている人はすでに知っているように、すっかりランニングの虜になっている。
Runkeeperというモバイルのアプリで記録を録っているのだが、それを見ると、2009年の5月頃から走っていたようだ。だが、2009年は月に1度とか2度しか走らないという時期もあり、本格的に走り始めたのは2010年の春ごろだ。
それから2年経ち、今では、人を捕まえては、ランニングしませんかと誘うほどになった。
ランニングの何が良いのか。
まず、気持ち良い。走るのが苦手という人がいるが、それは速度をあげた走りのことだろう。自分が無理なく走れる速度まで落として走れば良い。人間は汗をかいて快感を感じるように出来ている。しばらく続けたら、きっと走った後に気持ち良いと感じることだろう。
それに関係するが、走ることにより、ストレス解消となる。どんな人でも何かイライラすることがあるだろう。仕事関係だったり、家族や知人とのいざこざだったり。走ることにより、それらすべてが魔法のように解決するとは言わないが、走ってしばらくすると、少なくとも走っている間は忘れることができる。
体に良いというのは当たり前の効用としてあげられるだろう。私は痩せているにも関わらず、高コレステロールと言われていた。薬まで処方されるくらいだったのだが、走り始めてから、すっかり正常値に落ち着いた。もともとダイエットは必要ない体質だが、それでも余分な贅肉はとれたように思う。肌荒れなども無くなった。今では、どうも調子が悪いなと思うときは、だいたいしばらく走れていない時だ。
また、走ることを習慣化するために、時間を有効活用するようになった。金曜日夜の深酒は少なくなった。平日普通に働いている人にとって、週末というのは距離を走るのに貴重な時間だ。以前は金曜日に呑み過ぎ、土曜日を二日酔いで苦しむことが少なからずあったが、走るようになってから、激減した。平日も2回か3回は朝か夜のどちらかに走るようにしているので、同じく深酒は避けるようになったし、仕事なども効率良く進めるようになった。
始めるために、あまりコストが掛からないのも良い。実際には、凝り始めるといろいろと買うものが増えるが、ゴルフなどに比べれば、微々たるものだ。また、いつでもどこでも走れるというのも素敵だ。出張にもランニング道具一式を持っていくようになってしばらくたつが、サンフランシスコ市街、シンガポール、上海、台北などなど、いろいろな都市を走った。実は走るスピードが知らない街を探索するのには一番向いている。車では速過ぎるし、歩くのでは遅すぎていろいろと見れない。ゆっくりと走ることで、街のいろんな姿が見えてくる。
人を理系と文系に分けるのは嫌いなのだけれど、ここではあえて使わせてもらうと、ランニングというのは理系な人に向いていると思う。
ランニングは自分との競争である。前回よりも長く、前回よりも遠い距離を。このように、自分と戦う。大会などに出るとき、4時間を切れるようにと、時間をゴールに置くことも多いだろうが、これも結局自分との戦いだ。自分という肉体とそのときの状況(レースだったら、レースコンディションなど)を見極め、作戦を立てる。
理系の学問は、仮説を立て、それを実行し、その結果を検証するというループを回すことで真理に近づいていく。ランニングも同じだ。
次のレースに向けて、自分の課題は何かを洗い出し、それに向けての対策を練る。
もし完走を目指すならば、完走するだけの距離を走るための筋力をつければよく、そのための練習を行う。ある時間内でのゴールインを目指すならば、そのための課題を考える。
レースまでの間の週末などに、課題に対して行った練習の成果を、ある程度の長距離を走ることで検証できる。その結果を踏まえて、また練習方法を変えれば良い。
自分の肉体がパラメータとなる。そうなると必然的に摂取するものにも工夫を凝らすようになる。レース近くになると、カーボローディングと言って、炭水化物を大量に摂取することが知られているが、レース直前だけでなく、普段からどのようなものが必要かを考えるようになる。体型の変化や普段の練習の結果などで、その成果も検証できる。
レースコースを事前に確認し、高低差や途中の給水所の場所や出されるものを確認しておく。今シーズン最後のレースが先週末にあったのだが、私は5kmごとのペース配分と給水所で補給すべきものをすべてメモし、それを確認しながらレースに臨んだ。もちろん、予定通りに行かなかった場合には、適宜、それを修正しながら、与えられた状況下で最善の結果となるように努力した。
自分の体、自然環境、レースコンディションなど、複数のパラメータに対しての係数を変化させ、その結果を検証する。まさに、理系的な作業だ。実に楽しい。
すでに、ランニングはブームになっていて、レースのエントリーなどはいつも大変だし、人気の練習コース(皇居など)は混んでいて、これ以上、ランナーが増えるのは本当は困るのだけれど、良いことずくしなので、少しでもそれをおすそ分けしたくて、このブログを書いた。参考になれば。
参考ブログ記事: