2009年8月8日土曜日

2011年 新聞・テレビ消滅

佐々木俊尚氏からの贈呈。佐々木さん、いつもありがとうございます。

さて、佐々木さんの著作はほとんど読んでいるのだが、いつも感想を書くのに苦労する。私の勤務先に関係するテーマが多いからだ。今回はいつもに増して感想を言いにくい。私の別ブログで書かせていただいた3Cモデル(Contents/Container/Conveyer)を本書の解説に採用されているからだ。
コンテンツとコンテナとコンベヤ

メディアによりユーザーに提供されるものはコンテンツである。これをどのような表現形態で提供するかを決めるのがコンテナである。メディアの場合、コンテナはフォーマットと呼んでも良いかもしれない。ちょうどいろいろな荷物がコンテナに詰められて運ばれる様子を想像して欲しい。

実際にコンテナという形態に包まれて実際にユーザーに届ける部分がコンテナである。

ネット時代のメディア戦略 ― 垂直統合から水平分散へ - Nothing ventured, nothing gained
私のブログでは亀のようにゆっくりとしか、このテーマでの投稿を出来ていないのだが、佐々木さんは私の心を読み取ったかのように、本書でこの3Cを使ってメディアの将来を予想する。

本書で予想されるメディアの将来は悲惨だ。2011年、つまり再来年には新聞・テレビは消滅すると言う。私自身は消滅するとまでは言えないが、全国紙が5紙残っているとは思えないし、テレビの影響力もかなり弱くなっているだろう。私は2011年7月24日を境に何が起こるのか本当に興味がある。私個人はテレビをまったく見なくなる可能性も捨て切れない。今でも、1日のうちにテレビを見る時間はもう1時間をきっている。日によってはゼロのこともある。それでも何も困らない。NHKの秀逸なドキュメンタリーやテレビ東京のビジネス番組を見れないのは残念だが、特にそれで話題について行けないということもない。

本書では、米国での事例や日本のメディア内部の裏事情までを交えて、メディアの行く末を描く。テンポ良く進み、読み物としても非常に良く出来ていると思うのだが、アマゾンなどでのレビューを見ると、評価は必ずしも高くないようだ。テンポ良く書いた分、中身が薄いと思われてしまったこともあるようだし、また業界内部を過激に暴いたことがかえって中立性を失ったと思われてしまったようでもある。だが、少なくとも業界内部についてはある程度知ることができる私から見ても、このぐらい過激に、そして読みやすく書かないと、本当に本書を読んで欲しい人たちには届かない。これでも届かないかもしれないくらいなのだから。

なお、このテーマに関しては、予告通りNothing ventured, nothing gainedで展開する予定。ゆっくりな展開になると思うが。

2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)

4166607081

関連商品
仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)
ひと月15万字書く私の方法
中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書)
大搾取!
by G-Tools