「フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる」がボケる原因を中心に解説していたのだが、こちらの「脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める」は脳を活性化するための15の対策を生活習慣として提案している。
対策は極めて明快だ。その根拠もしっかり示されている。こういうものは読んでしばらくたつと忘れてしまい勝ちなのだが、15の習慣はそのまま章になっているので、章タイトルだけを列挙しておくだけでもどのような内容か思い出せる。また、まだ読んでいない場合でも、どのようなことが書かれているか概要はつかめると思う。
- 生活の原点をつくる—脳を活性化させる朝の過ごし方。足・手・口をよく動かそう
- 集中力を高める—生活のどこかに「試験を受けている状態」を持とう
- 睡眠の意義—夜は情報を蓄える時間。睡眠中の「整理力」を利用しよう
- 脳の持続力を高める—家事こそ「脳トレ」。雑用を積極的にこなそう
- 問題解決能力を高める—自分を動かす「ルール」と「行動予定表」をつくろう
- 思考の整理—忙しいときほど「机の片付け」を優先させよう
- 注意力を高める—意識して目をよく動かそう。耳から情報を取ろう
- 記憶力を高める—「報告書」「まとめ」「ブログ」を積極的に書こう
- 話す力を高める—メモや写真などを手がかりにして、長い話を組み立てよう
- 表現を豊かにする—「たとえ話」を混ぜながら、相手の身になって話そう
- 脳を健康に保つ食事—脳のためにも、適度な運動と「腹八分目」を心がけよう
- 脳の健康診断—定期的に画像検査を受け、脳の状態をチェックしよう
- 脳の自己管理—「失敗ノート」を書こう。自分の批判者を大切にしよう
- 創造力を高める—ひらめきは「余計なこと」の中にある。活動をマルチにしよう
- 意欲を高める—人を好意的に評価しよう。時にはダメな自分を見せよう
- 高次脳機能ドックの検査—最低限の脳機能を衰えさせていないか確認しよう
私はこの中でも、特に2章で解説されている「脳の基本回転数を上げるには、時間の制約が必要」という考えに共感した。芸術家も職人も「制約条件」がある中でのほうが優れた作品を生み出すということはこのブログでも何回か書いているが、脳科学から見てもそれは確認できるようだ。つまり、試験前などは限られた時間の中で工夫して、かなりの分量の作業をこなすことになるが、これは脳から見ると当たり前のことらしい。良く「あとXX時間あったら」とか言うが、実際にXX時間あったからと言っても、その分、優れた/多くの作業がこなせるとは限らない。残業が返って効率悪いのと同じだ。その意味では夜はとっとと帰るように、仕事以外の予定を入れてしまっているほうが良いのだろう。
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
築山 節
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