2015年5月15日金曜日

カナエール

ふとしたことからカナエールという活動を知った。

児童養護施設。

私の年代だと、この言葉からタイガーマスクを思い出してしまうのだが、もしかしたら数年前に相次いだ伊達直人名義の寄附行為などから、若い世代でもタイガーマスクを想起する人が多いのかもしれない。タイガーマスクこと伊達直人が支援していた児童養護施設は親のない子どもたちを支えていた。しかし、現代ではこの施設にいる子どもたちの親は健在なことが多い。私も知らなかったのだが、肉親による虐待によりこの施設に入っている子が大半だそうだ(児童養護施設に来る子どもたち | Bridge For Smile(ブリッジフォースマイル)

この肉親による虐待を始めとしたさまざまな理由で家庭環境が整わない子どもたちが暮らす児童養護施設を支援し、子どもたちの巣立ちを応援するNPOがブリッジフォースマイルだ。

このブリッジフォースマイルが行っているいくつかある支援活動の中で、カナエールは児童養護施設を退所した後、専門学校や大学等へ進学する子どもたちを支援する奨学金支援プログラムだ。

「児童養護施設を退所する若者の進学率は20%(全国平均75%)、進学先の中退率は30%(全国平均10%)」(「カナエールとは」より)という数字からわかるように、児童養護施設で暮らす子どもたちはそうでない子どもたちと比べて、教育の機会が著しく低くなっている。その理由のほとんどは教育資金の問題だ。仕事と勉強の両立は厳しく、頼る親戚もいない。

この問題を解決するために、夢や進学への思いを語るスピーチコンテストの出場を条件に、返済不要の奨学金を与えるのがカナエールだ。スピーチコンテストに挑戦する子どもたちをボランティアの大人3人がサポートし、チームとなってコンテストに挑む。子どものことをカナエルンジャー、大人たちのチームをエンパワーチームと呼ぶ。

このカナエールについてはサイト上に支援の形を含むさまざまな情報が掲載されており、実際の子どもたちの声も見ることができる。また、以下のようにコミック形式であったり、NHKのハートネットで特集されたときのテキスト版などもあるので、是非目を通してみて欲しい。


この子ども(カナエルンジャー)と大人たち(エンパワーチーム)で構成されるプロジェクトチームの作業を円滑に進めるためにITが欠かせないのだが、今年からChromebookが使われることになり、その縁で私も応援させてもらっている。その模様はカナエールのブログでも紹介していただいた(Chromebookとカナエールの挑戦 | カナエール 公式Webサイト)。キックオフや合宿などにも参加させていただいたが、夢を語る子どもとそれを叶えるために集まった大人たちの素敵な空間にたくさんの元気をもらっている。

このプロジェクトの本番となるスピーチコンテストが東京、横浜、福岡で行われる。

夢をもった子どもたちの夢をかなえるために、お時間のある人は是非聞きに行って欲しい。


東京:http://canayell2015t.peatix.com/
横浜:http://canayell2015y.peatix.com/
福岡:http://kokucheese.com/event/index/291584/