2009年10月12日月曜日

少女病

少女病

千葉から遠距離通学をしていた中高生のころ、始業時間に間に合うようにすると、たいがいいつも同じ電車に乗ることになる。毎朝同じ車両で見かける美少女がいたりして、同級生との間で話題になったり、誰が声をかけただのと噂話をした。

大学生になり、そして社会人、さらにはフレックスタイムの導入。私の場合には車で通勤したり、バスだったり、自転車だったりと、いろいろと通勤の手段も変わったので、同じ時間の電車を毎日利用するということが今はほとんどない。これで学校や会社という鎖から離れられたなどと思っているわけでもないが、毎朝常に同じ時間に通勤するというストイックな生活は性に合わないので助かっている。でも、考えてみると、毎朝同じ時間の電車という空間を共有する不思議な関係の仲間というのを失ってからだいぶ経つことになる。

毎朝同じ時間に乗ってくる美少女に声を掛けるでもなく、ただただずっと見ている。読んでいる本、話している友人、近くに立てたときなどは友人と話している内容まで聞いてみたりする。当時はストーカーという言葉も無く、今だったらストーカー予備軍にされていたかもしれないが、多かれ少なかれ、通学路での美少女をちらちら気にするというのは誰もがやってことではないだろうか。

この「少女病」はすでに青空文庫に掲載されているのだが、なんといっても高山里穂さんがモデルの写真が秀逸。私は少女趣味/ロリータコンプレックスではない(むしろその逆)のだが、それでも、2~3ページに1枚以上挿入されているこれらの写真をずっと見たいがためにこの本を買ったと言っても嘘ではない。

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