2008年12月31日水曜日

佐伯祐三とフランス



少し前に近くまで行く機会があったので、ポーラ美術館で開催されている「佐伯祐三とフランス」展に行ってきた。



ポーラ美術館は初めてだったのだが、サンフランシスコのde Young Memorial Museum(デヤング美術館)のように、自然光を取り入れた、ゆったりとした作りで、入った途端に気に入ってしまった。パンフレットを読むと、自然との調和を保つために、あえて地上部分に施設を作らず、地下に展示するようにしているらしい。







佐伯祐三は昔から好きだったのだが、彼のフランスでの滞在中の行動をトレースする形での展覧会というのには行ったことが無かった。このポーラ美術館での展示では、佐伯が渡仏する前、そして渡仏後に渡っての彼の変遷を、彼が影響を受けた画家の作品とともに見ることができる。彼の作風からは想像も出来なかったのだが、ルノワールやセザンヌ、ゴッホなどにも大きく影響を受けたようだ。彼が尊敬するそれらの画家と彼の同時期の作品を並べてみると、良くわかる。

今回の展示会で一番の収穫はフォービズム(野獣派)の代表格であるブラマンクの作品や彼とのエピソードを知ることができたことだ。最初の出会いのときに、ブラマンクに酷評されたが、そこから佐伯独自の作風が確立できたのだろう。

送信者 Yuzo Saeki