送信者 AndrewWyeth |
ちょっと前になるが、渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されていたアンドリューワイエス(Andrew Wyeth)展に行ってきた。
アメリカのペンシルバニア州とメイン州の、おそらく住んでいる人からするとごく一般的な代わり映えの無い生活を、いきいきと描かれた風景画と人物画が展示されていた。写真かと思わせるほどの緻密な描写が有名であるが、今回の展示ではその完成度の高いテンペラ画や水彩画を仕上げるまでの習作の多くを見ることができる。どのように彼が素材を見て、最終的な作品に仕上げていったかもわかり大変興味深い。
存命中の彼へのインタビューもビデオで流されており、そこで彼が「絵を感情と精神で楽しんで欲しい」と語っていたのが印象深い。
送信者 AndrewWyeth |
<追記>
日本経済新聞(2009年1月11日)の「アート探求」で、森田芳光監督の「わたし出すわ」が解説されていて、そこでアンドリューワイエスについての記述が。
撮影中、麻耶の部屋に掛かる一枚の絵に気付いた。孤高を貫いた米国の画家アンドリュー・ワイエスの「クリスチーナの世界」。草原の丘を見上げる女性を背後から描いた有名な一枚だ。「アメリカの資本主義社会の中の静寂とか空洞を思わせるワイエスの風景は麻耶にふさわしい」と森田。その時、寂しげな絵だと思っていた画面が凛と輝いたように見えた。
「アメリカの資本主義社会の中の静寂とか空洞」。なるほど、そういう見方もあるのか。この映画も見たくなる。ただ、「孤高を貫いた米国の画家アンドリュー・ワイエス」って、まだ死んじゃいないのだから、この書き方はどうだろ。