久しぶりに英語学習の本を読んだ。
留学経験も、本格的に英語を習ったことも無い私のような人間には、本書に書かれていることが良くわかる。私も30年近く英語に悩まされてきて、いまだに悩まされている。なんで、外資系にずっと勤め続けられるのかって思うくらい、英語は本当に下手で、今の会社をクビになる理由は5つくらい考え付くけど、そのうちのトップか2番目にランクするであろう理由が英語によるコミュニケーションだ。
私の英語コンプレックスはかなりのもので、米国人と話していたときに、「今の会社でおそらく一番下手で…」という話をしたのだが、彼があと で「彼(私のこと)は何故あんなに英語力を気にするんだろう。ぜんぜん問題ないのに」と話していたと聞いた。うれしい話だが、私は英語で喧嘩ができない限りは英語でのコミュニケーションができるとは言えないと思うので、まだまだ先は長い。
喧嘩だけでなく、いろんな癖のある発音の英語を話す連中との異種格闘技選手権のような社内会議で、物怖じもせずに発言することはいまだに苦手だし(だって何言っているか7割くらいしかわかんないことも多い)、ちょっととっつきにくい人には英語で話しかけるのを躊躇してしまうこともまだある。
外資の中でも英語でのコミュニケーションが必須に近い会社/部署にいるからこそ、ここまでシビアな状況なのだとは思うが、外資が先取りしているところはあるだろうが、普通の会社にいたとしても、今後を考えると、日本で働きながら、英語がしゃべれないことは大きな不利な状況だ。会社の昇進などで影響するかはその会社次第だろうが、個人が生きていくだけでも、海外と情報交換できるかどうかが死活問題となることも多い。村上さんも本書の中で書かれている(もっときれいな言い方だったと思う)が、英語しかしゃべれないバカはたくさんいる(英語がしゃべれるだけでは出世できない)が、英語をしゃべれないでは出世できない。私は出世とかには興味ないのだが、ここは「自分のやりたいことをやる/自己実現を計る」と置き換えると良い。
本書の内容はきわめてシンプルだ。簡単に一言で言うと、「訓練あるのみ」。
学問として正しい必要もなく、ネイティブに間違えられるくらいの美しい発音である必要もない。だが、各人の環境での最低限生きていくためのコミュニケーションツールとしての英語力向上の方法を説く。そのため、村上さんは切り捨てられるところをずばりと切る。
ここでエッセンスを紹介すると、以下のようになる。
- まず読む
- 300万語をゴール(本書では100万語をとりあえずのゴール)として、多読する
- 後戻りや息継ぎ禁止。わからなくてもひたすら読む
- 小説は探偵小説が良い。SFは避けるべき
- 小説の次はノンフィクション
- スピードは1分間に500ワード
- 語彙を増やす
- まず1万語
- 暗記しない。ひたすら眺める
- 暗記道具は使わない
- 聴く
- まず1万語
- 暗記しない。ひたすら眺める
- 暗記道具は使わない
- 生の英語を1000時間聴く
- 書く
- 英作文ではなく「英借文」を。完璧な英文なんて不可能なので、言い回しを盗む
- 基本的なフォーマットを覚える。テンプレートをストックしておく
- タイピングが重要
- 話す
- 自分のレベルで話せばよい
- 自分に関していろいろなシナリオに応じての話を100通り用意しておく
- 興味のあることを英語で話せるようにする
- 発音は気にしない
- ジョークのネタを英語で用意しておく
全体を通じて、村上さんの日本に対する危機感、後輩に対する愛情が感じられる。
英語習得の道はストイックなまでの訓練であるというごくごく当たり前の結論であり、ストイックな訓練がやはりここでも重要であることが改めて理解できる。
そうそう、ストイックな訓練においても、動機付けが非常に重要になるのだが、英語を極めることに関しては1つの成功への道がある。それは、習得する言語のNative Speakerと親しい間柄になることだ。知人で複数の言語を習得した人間がいるが、その人は数ヶ国の異性と1年から2年付き合うというのを数サイクルこなすことで、数ヶ国語の言語の習得に成功した。人間関係が壊れず、良いめぐり合わせがあったなら、国際平和のためにも日本人以外の異性と付き合ってみても良いかもしれない。
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このブログ投稿の後、以下の英語に関する投稿もした。参考まで。