2015年10月27日火曜日

アデライン、100年目の恋

萩尾望都さんという漫画家がいる。今の若い人は知らないかもしれないが、彼女の「ポーの一族」という作品がとても好きだった。吸血鬼(バンパネラ)として生まれた少年とその周辺の人々を描いた作品だが、永遠に少年や少女である彼らに、いつまでも社会に出ずにいたいモラトリアムな自分が重なった。

ポーの一族 文庫版 コミック 全3巻完結セット (小学館文庫)

「ポーの一族」においても、年をとらない哀しみ、時代を超えて存在し続ける苦しみが描かれているが、同じテーマの映画が「アデライン、100年目の恋」だ。タイトルがすべてを語っているが、100年の生を得て、生き続ける女性の物語だ。



正直に言うと、ブレイクライブリーを見にいった。期待通り彼女はとても美しかった。彼女を見るためだけでも映画代のもとはとれるだろう。

だが、普通に年齢を重ねて生きていくという当たり前のことを素敵だと再確認させてくれるストーリーも悪くない。なんのひねりもない、想像通りの展開なのだが、全体を包む、哀しい美しさがすべてを許してしまう。美人は得だ。




また、舞台となったサンフランシスコもとても美しかった。自分の良く知っている街が美しく映画の中で取り上げられているのは嬉しい。

あまり上映している映画館が少なくないようだが、生きるのに疲れて美しいものを見たい人にはお勧め。