2012年12月20日木曜日

留学のほえづら もう笑うしかない! 海外留学生22人の泣きっつら体験

たまたまだとは思うのだが、語学留学をして英語を喋れるようになったという人に会ったことがない。逆に、語学留学をしたはずなのに、ほとんど喋れないまま帰国してきた人には何人か会ったことがある。

英語学習において、良くある勘違いが、英語をシャワーのように浴びる環境に行けば、自然と身につくというものだ。英語に対する拒否反応は無くなるかもしれないし、ある程度までは耳が慣れるというのはあるかもしれないが、単に聞き流しているだけで身につくものではない。周りにネイテイブがいるからと言っても、引きこもってしまっていては、英語でのやり取りする機会もなく、向上は見込めない。むしろ、いくらでも英語に接する機会を持てる日本のほうが学習には向いていることもある。

留学のほえづら もう笑うしかない! 海外留学生22人の泣きっつら体験」は海外留学した22人のエピソードを悲喜こもごも紹介したコミック&エッセイだ。

ホスピタリティの欠片もないホストファミリーで苦労した人、ネイティブではないホストファミリーやアジアを中心とした海外からの留学生しかいない語学学校でネイティブの英語を学ぶ機会を持てなかった人、ストーカーに絡まれまくる人などなど。笑いながら読めるが、おそらくこれはごく一部の特殊なケースというわけではないのだろう。

留学には、英語で何かを学ぶというのと、英語を学ぶという、似て非なる2つのゴールがあるが、後者の英語を学ぶことを目的とした留学の場合には、いろいろな環境がありうることを覚悟し、そこからの学びを意識したほうが良い。

紹介したような泣き笑いありの大変な体験をしていても、本書に出てくる22人は極めて前向きだ。留学しなければ良かったと思う人間は皆無で、むしろ貴重な体験をしたと感謝している。

留学や海外滞在での一番の成果はこれだろう。日本にいたら得ることのできない、異なる文化での生活を通じての経験こそがほかでは得がたいものなのだろう。そのためにも、積極的に環境を楽しむことが肝要だ。

留学のほえづら もう笑うしかない! 海外留学生22人の泣きっつら体験
沼越康則

4048864394

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※本書は出版元のアスキー・メディアワークスより献本いただいた。