2008年3月3日月曜日

人のセックスを笑うな

ずっと気になっていた「人のセックスを笑うな」をやっと観に行った。

永作博美扮する39歳の美術学校講師とその学校の学生19歳(松山ケンイチ)の恋愛を描いた映画だ。

原作は芥川賞候補にもなっているが、私は読んでいない。

なんというか、映画らしくない映画だった。他人の私生活を覗いているような感じがする。主演の男女二人の会話も、もちろん脚本のある台詞なのだろうが、時としてストーリー展開には不必要とさえ思えるほど冗長だ。台詞回しも、早口だったり、ひそひそ、ぼそぼそと話していたりするところも多くあり、スクリーンのこちら側にはっきりと届かせようという気が無いのではないかと感じる。もちろん、これは監督の意図のとおりだろう。その意図通りに、二人の私生活を覗いてしまった私は変にどきまぎしてしまう。

永作博美の演じる奔放な女性。既婚であることをしれっと告白するところなど、もしかしたら本当にこんな女性もいるかもと思わせる。永作は実年齢でも38歳だそうだが、もうそんなになったのかと思う。ただ、テレビなどで昔から見ていると思ったのだが、改めて考えると、彼女の出た映画を観たのはこれが初めてだ。役にあっている。

また、松山ケンイチに恋する蒼井優も良い演技をしている。私は、蒼井優をちゃんと認識したのは、「クワイエットルームにようこそ」からという、ちょっと普通じゃない人なのだが、「クワイエットルームにようこそ」での演技はすごかった。背筋が寒くなる思いだった。この映画では、それとまったく逆の普通の恋する若い女性を演じているのだが、これも自然で良い。こんな風に異なる役をこなせるなんてなかなか。

大声で笑ったり、号泣したり、というような映画ではないが、じわーっと味わう感じの映画だ。

人のセックスを笑うな (河出文庫)
山崎 ナオコーラ

4309408141

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